転職回数が多いと就職に不利。そんな話を誰もが聞いたことがあるはずです。
さて、転職回数が多いというのは、具体的に何回目からでしょうか?
この質問にはっきり答えられる人は少ないでしょう。なぜなら、何回までは大丈夫で、何回以降はマイナスなど、具体的な回数は決まっていないのですから。
今回は転職回数に関するデータを確認しながら、転職回数よりも重要視される基準や応募書類や面接で押さえておくべきポイントを紹介します。
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転職回数が多いことをネガティブに考えている薬剤師の相談内容
キャリアチェンジやライフスタイルの変化で転職回数が増えることはごくごく普通のことですが、誰しも転職回数が3回目を超えたあたりからこれ以上転職回数を増やしても大丈夫だろうかと悩み始めるものです。
まずは、4回目の転職を悩んでいる薬剤師の相談内容を紹介します。
美由紀さん相談内容
MRから調剤薬局への転職で1回、人間関係のトラブルで1回、結婚による転居で1回、30歳で3回の転職回数は多い方だと自覚しています。
まだ子供を授かったわけではないのですが、これから子供を出産して子育てしていくことを考えたら、今の職場だと人員数や子育て支援制度が整っているわけではないので、大手調剤薬局への転職を考えています。
そうなると4回目の転職になるわけで、果たしてちゃんと転職ができるのか不安です。
一般企業で働く友人に相談しても「大丈夫?」と心配されているので、どうすべきか悩んでいます。
30歳で3回の転職経験は、平均値から比べると多い部類に入るでしょう。
しかし、転職経験が7回以上にもかからず、好条件のまま転職を繰り返している薬剤師がいるのもまた事実です。
薬剤師の平均転職回数と年代別比較
薬剤師は他の職種に比べて転職回数が多い傾向にあります。
転職をしたとしても業務内容が大きく変わるわけではない上、調剤薬局もドラッグストアも新規出店戦略で薬剤師の需要があるので、容易に転職ができることが要因の一つです。
転職をする側にとっても、転職によって年収を大幅にアップさせることができるのも転職を後押ししてくれています。
それでは、薬剤師の転職回数は平均するとどの程度なのか、現役薬剤師280人にアンケートを行い実数を算出しました。
年代別にも集計しましたので、世代ごとの転職の傾向についても確認してください。
薬剤師の平均転職回数は3回
現役薬剤師に調査した転職回数
- 1回:22.8%
- 2回:20.5%
- 3回:23.4%
- 4回:12.9%
- 5回:8.5%
- 6回:4.4%
- 7回以上:7.5%
現役薬剤師280人のアンケート結果
薬剤師の転職回数としてもっとも多いものが3回で、平均を割り出してみても3回という回数に落ち着きます。
結婚や出産などの人生のイベントでやむを得ず転職する場合や、待遇の不満やキャリアアップのための転職の場合も含めての算出です。
平均は3回ですが、一方で4回以上転職を経験している薬剤師は、33.3%にもなります。7回以上と答えたつわもの薬剤師もいるんですよ。
20代の薬剤師でも2人に1人が転職を経験
年齢別の転職回数
年齢 | 0回 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回以上 |
20代 | 45.1% | 29.8% | 15.5% | 3.9% | 5.7% |
30代 | 28.1% | 24.3% | 21.5% | 17.8% | 8.3% |
40代 | 16.9% | 19.0% | 27.3% | 27.1% | 9.7% |
50代 | 11.0% | 15.1% | 30.3% | 32.4% | 11.2% |
このように、薬剤師のほとんどが転職を経験しており、20代でも2人に1人が転職経験者という結果が導きだされました。
どの世代においても全く転職していない薬剤師は一定数存在しますが、年齢が上がるほどに転職経験者の割合が増えています。
50代ともなれば、転職を経験していない人は10人に1人になってしまうんです。
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転職回数よりも採用の判断基準にされるのが勤続年数と転職理由
転職した回数が多いと就職に不利。そんな迷信は今日限りで捨ててください。
大前提として一般的な職業での転職回数と薬剤師の転職回数を同じものとして比べる必要はありません。
営業職や事務職などは、企業単位で行う業務が異なるため、いかに経験豊かな中途採用者であろうとも教育にコストがかかり、すぐに利益に結びつくわけではありません。
薬剤師の場合は、転職したとしても行う業務に大きな違いはなく、調剤業務を行えばすぐに利益を稼ぐことができるんです。
3年以上の勤続年数が理想的
重要なのは転職回数よりも、それぞれの職場での勤続年数になります。
採用人事の担当者は、勤続期間をチェックしており、勤続期間がある程度確保できているのなら、特に問題にはなりません。
しかし、勤続期間が1年に満たないまま何度も転職を繰り返しているという薬剤師には、採用担当者も不信感を持ってしまうため、採用されることが難しくなることがあります。
例え転職回数が5回、6回と平均値より多くても、1社で3年以上の継続した勤務実績があればマイナスなことではありません。
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転職に有利な転職理由と不利な転職理由とは?
何度転職していても、転職理由がポジティブなものだったり、自身のキャリア構成をきちんと設計できている人は恐れることはありません。
もちろん転職理由はネガティブな理由が大半ですが、全てを素直に説明する必要はなく、ポジティブな理由に変換してしまえばいいのです。
有利な転職理由と不利な転職理由の違いをみてみましょう。
有利になりやすい転職理由
- 在宅医療を通して患者と密接に関わっていきたい
- 専門分野や多種類の処方箋を応需している薬局でスキルアップしたい
- 東洋医学と西洋医学、両方を学んでいきたい
- かかりつけ薬剤師として患者と密接に関わっていきたい
転職理由として、自身のスキルアップを目的にした転職は好意的に受け取ってもらうことができます。
例えば、
「今後は在宅医療が中心となる時代、調剤薬局の中だけではなく、患者の自宅で薬剤師の職能を発揮する時代がやってきます。
その時になってから慌てて準備するのではなく、率先して勉強し、中心的な業務を行うために、積極的に在宅医療に取り組んでいる企業への転職を希望しました。」
こういった理由での転職は、自身の薬剤師への熱意を伝えることがポイントになります。
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薬剤師の履歴書「志望動機」採用担当者に熱意を伝える!書き方と例文
不利になりやすい転職理由
- 労働条件や職場環境にストレスを感じたから
- 人間関係に問題があったから
- 給料が少なかったから
- 体調不良で休みがちだったから
転職を考えるというのは、すべて前向きな理由ではありません。むしろ、大半がネガティブな理由でしょう。
後ろ向きな理由が存在するのは仕方ありませんが、それをそのまま伝えたのでは、転職に不利になってしまいます。
こういった後ろ向きの理由を採用担当者が聞いた場合、転職している本人にも何かしらの問題があるのではないかと勘繰られてしまうのです。
だからといって嘘を吐けと言っているわけではないので勘違いはしないでくださいね。
こういった場合には目線を変えて、その改善した職場でどんな業務をしたいのか、プラスの印象になるように言葉を操作して伝えるようにしましょう。
例えば、地方への転勤が嫌だったのなら、「現在働いている地域の医療を支援していくため、まだ離れる時期ではないと判断しました。」など、言葉を変えることで印象はまったく変わります。
有利にも不利にもならない転職理由
- 結婚するので地元に戻るため
- 家族の介護のために転職した
結婚や出産による転職の場合、不利になることはありませんが有利になるわけでもありません。
人生のイベントによってやむを得ず転職をすることは、誰にでも発生する事態です。
採用担当者もその点は当然のこととして、不利な条件とすることはないのです。
家族の介護も現代では重大な問題です。今後も介護が発生する可能性があり、そちらを優先すると面接で答えたのなら不利な条件になってしまいますが、すでに介護はひと段落し、今後は仕事に精力を傾けるとすれば、こちらも不利になることはありません。
逆に何の目的も持たずに、ただ勤続年数だけ長くなっているよりは、実績・経験・知識など、すべての面で良い方向に働いてくれるでしょう。
転職回数の多い薬剤師が応募書類と面接で押さえるべき3つのポイント
転職回数の多さは就職に不利に働くわけではないとご理解いただけましたか?
それでは、ここで転職回数が多くなっている薬剤師が、問題なく転職するために押さえておきたいポイントを3つにわけて紹介します。
3つのポイント
- キャリアに一貫性のある理由づけをしておく
- 様々な職場での経験をプラスに表現する
- 自分を採用した際に提供できる能力(メリット)を伝える
1、キャリアに一貫性のある理由づけをしておく
薬剤師が転職できる職場はたくさん存在していますが、自分のキャリアに一貫性を持たせなければ、転職の理由が不鮮明になってしまうのです。
病院からドラッグストアに転職し、その後に医薬品卸会社に転職してから調剤薬局にまた転職、このようになっていてはキャリア構成がバラバラで、何を目指しているのかが相手に伝わりません。
それでも、その転職に関して、自分なりの目指している薬剤師像が反映されているのなら、そのことがしっかりと相手に伝わる文章で用意しておきましょう。
2、様々な職場での経験をプラスに表現する
職場には、そこでしか経験できない貴重な事柄がたくさん存在しています。
それを自分の知識と経験に変え、他の職場で発揮できるのが転職経験者のとても強い利点となるのです。
ですが、その利点も相手に伝えられなければ宝の持ち腐れ。
自分が持っている知識や経験を文章にし、その経験がどのように生かされているのか、職場においてどのようにプラスに働くのかをきちんと表現しましょう。
3、自分を採用した際に提供できる能力を伝える
自分を採用することによって、企業側にどんなメリットがあるのかを伝えましょう。
相手が具体的にイメージできるようにすれば、自社にとって必要な人材と判断してもらえる可能性が高まります。
たとえば、OTCを扱っていない調剤薬局にOTCが得意な薬剤師が転職する場合、薬局医薬品とOTCの相互作用表を作成・提供できるなど、実際の業務で生かせる表現が重要になります。
転職市場が年々右肩上りであることから、企業の転職回数に対するイメージも変化しています。
以前のように「転職=悪いこと」というマイナスイメージはだいぶ払拭され、 「転職=経験豊富な人材」というイメージが定着しつつあるのです。
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薬剤師の職務経歴書「自己PR」採用担当者の心をつかむ書き方と例文
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まとめ:転職回数に惑わされず、自分の信じた薬剤師像を目指していこう
転職回数が多いのは、根気がなくて使えない人材と、一昔前はこんなマイナスイメージが蔓延していましたが、今ではそのマイナスイメージもだいぶ払拭され、きちんとアピールすることで、自社では培えない経験・知識をもった必要な存在と意識してもらうことが可能になりました。
転職回数が増えるのを気にして、自分の目指すキャリアを踏めないでいるのなら、恐れることはありません。
自分のキャリアに自信をもってアピールできるのなら、転職で不利になることはないのです。自分の未来は自分の手で切り開いていきましょう。
転職エージェントのサポートを受けるのことも解決策
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この記事で転職回数は不利にはならないと理解したとしても、いざ転職活動をするとなると多少なりとも不安感は持つでしょう。
この不安感せいで変に卑屈になってしまい、面接で失敗してしまう話もよく聞きます。
そんな時は、転職エージェントのサポートを受けることで可能な限り転職での失敗を減らすことができます。
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