結婚や育児、ライフスタイルの変化が原因で、一時的に薬剤師として働くことから距離を置いていたけれども、「夫婦共働きで生活を安定させたい」「薬剤師の仕事がやっぱり好き」「子供に手がかからなくなって時間ができた」など、様々な理由から再就職を考える薬剤師は多いものです。
ですが、数年のブランクがあると再就職に対して不安に感じることはありませんか?
医療業界は常に新しい知識を求められる業界ですので、その知識に追いつけるかどうか、調剤や投薬などの業務は問題なくできるかどうか、自信をもって「大丈夫!」と言えるでしょうか。
今回は、ブランクの不安を解消するため、再就職するための事前準備や働き方のポイント、面接のコツを紹介します。
きよみ
あや
モンブラン
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ブランクがある薬剤師の再就職の現状とは?
厚生労働省の発表する薬剤師調査の概況によると、現在30万1,323人いる薬剤師の3.5%にあたる約1万500人が薬剤師資格を持っていますが、働いていない状態です。
働いていない理由は千差万別ですが、医療業界では常に新しい治療法が模索され、新薬も発表されていきます。
専門的な仕事だからこそ、ブランクによる不安感が再就職のハードルを高くしてしまっているといえるでししょう。
さらに、人間の脳は、使っていない知識は忘れていくように設計されています。
1年間現場を離れただけでも、見たことのない医薬品が調剤棚に並んでいることもあるくらいですので、5年10年のブランクともなると、新しい医薬品を覚える労力も相当なものがあります。
再就職の不安を解消する3つの事前準備
再就職のハードルが高く感じてしまうのは、ブランクによる知識の陳旧化と細部の忘却によるものが原因となっています。
逆に言えば、その知識を補完することによって不安感を払拭することができるのです。
再就職に対する不安を解消するため、再就職に向けた3つの事前準備を紹介します。
1、専門誌や業界本で最新知識を勉強し身につける
再就職する際にネックになるのは、ブランクの間に進んでいる医療業界の実情です。
そこを補完するため、日経メディカルなどの業界専門誌や、m3.comなどの最新の医療情報を取り扱うインターネットサイトを用いて、知識を最新に保っておかなければいけません。
特に保険薬剤師であるのなら、医療・医薬品情報だけではなく、2年ごとの調剤報酬改定や薬価の改定、保険制度や法改正に関してもチェックしておくことをオススメします。
保険薬剤師であれば、法的な知識が求められることも多く、過去には問題のなかったことが、現代では違法となっていることもあります。
その逆に、過去には医師の領分だったものが、薬剤師に解禁されているものもあります。たとえば、2010年から医薬品の剤型変更や規格変更が事後報告でも良くなった点などは大きな時代の変化といえるでしょう。
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知識不足の新人薬剤師とブランク薬剤師が効率的に勉強する方法とは?
2、研修や講習会など教育制度が整う職場を転職エージェントで探す
求人票にはブランクOKの記載はありますが、どのような教育制度があるかまでは書いていません。
実際に話を聞いてみるまでは判断できない事項だと言えるでしょう。
そこで活用したいのが転職エージェントです。転職エージェントは求人の質を確保するため、実際に企業を訪れて求人票には書かれていない情報も収集しています。
具体的な教育制度をコンサルタントに教えてもらうと良いでしょう。
ブランクがあって転職する場合、いくら書籍やネットで知識を補完していたとしても、実務に対応できる技術は習得できません。
知識にしても、実際に現場で使用するものに昇華させるには時間と経験が必要になります。研修制度の充実は、より早く現場に適応するための必須事項なのです。
日本調剤やアイン薬局、そうごう薬局、なの花薬局などの大手調剤薬局では、ブランクのある薬剤師専用の研修マニュアルを整備しているので、就職する候補として考えておくと良いでしょう。
3、再就職しようと思った理由、ブランクをどう穴埋めするかをきちんと説明できるようにする
再就職する際、問題になるのは面接での受け答えです。
採用担当者はブランクのある就職希望者の場合、即戦力としては考えていませんが、いつまでもそれで良いとも考えていません。
いずれは薬剤師としてバリバリ働いてもらえる人を採用したいと考えているのです。
そこで必ず質問される事項が、再就職しようと考えた動機や、どのようにそのブランクを穴埋めしようと考えているのかということ。
就職希望者の熱意と、将来に対する展望を確認し、自社にとって利益をもたらすことができる人材かを探っているのです。
これらの質問に対して、マニュアル通りではない自分の考えを返せる人材が、再就職を成功させることができるのです。
そうはいっても、自分の力だけで面接時の質問への回答を考えても、これでいいのか不安に思うこともあるでしょう。
その場合、大手転職エージェントの一つ、マイナビ薬剤師を活用すれば、転職エージェントが面接の練習やアドバイス、面接に同行までしてくれます。
久しぶりの転職活動でも非常に心強い味方となります。当然、活用する方が良い結果につながりやすくなりますね。
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薬剤師の面接で質問される代表例と回答12例!必須の面接対策とは?
ブランク10年以上の薬剤師はまず短時間勤務から
ブランクが長くなればなるほど、年齢も高くなり再就職が難しくなります。
体力的にもすぐに適応するのは大変なことですので、まずは、パート・アルバイトから仕事を始め、仕事の勘を取り戻しながら業務になれることが重要です。
パート・アルバイトだとしても職歴として記載することはできるので、長期間のブランクがあるまま正社員を目指すよりも、キャリアとしても形成しやすくなるでしょう。
きよみ
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再就職に成功した薬剤師の2人の体験談
春菜さん、結衣さん共に10年以上のブランクがありましたが、無事に再就職にすることができました。お2人の体験談を紹介します。
春菜さん ブランク歴15年
子供が大きくなり手がかからなくなってきたことと、仕事でのやりがいを再び感じたいと思い再就職を決意しました。
15年ブランクがあるので就職活動を始める前に2ヶ月ほど医薬品情報の勉強をしてから、友人に紹介してらった転職エージェントで求人探しをしました。
大手調剤グループで働いていた経験と今勉強をしていることに対して良い印象を持って頂き非常勤ですが就職することができました。
業務に慣れてきたら正社員雇用に移行できる確約してもらえたことも大手調剤薬局に決めた理由です。
結衣さん ブランク歴10年
旦那には変なプライドがあって派遣やアルバイトはしたくないようで、正社員として働く必要がありました。
転職コンサルタントからは、旦那のリストラやお金が必要になった経緯は面接で言わないない方が良いとアドバイスされました。
コンサルタントからの教えもあって再就職支援に力を入れている中規模調剤薬局グループに就職することができました
どちらのケースでも、ネガティブな要素を排除し、薬剤師という職業への熱意と展望を表現したことで、再就職を有利に進めることができるようになっています。
ネガティブな要素は相手の同情を誘う効果はありますが、それがプラスに働くとは限らず、問題が解決したら退職するつもりなのかも?いつも暗い雰囲気の人なのかな?と、不要な勘繰りを受けることにつながります。
採用担当者が求めている人材は、明るく仕事に前向きな人で、自分のキャリア設計をきちんと思い描いている人です。
面接で嘘をつくのは絶対にいけませんが、不必要な情報を伝えないというのは立派な戦略で、自分の良い部分を最大限に発揮して理解してもらうようにしていきましょう。
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まとめ:事前の勉強と準備をしっかり行い薬剤師として自信をつけよう
採用担当者は、就職希望者の人柄も重要視しています。
声が小さい、発言にマイナスの要素が多い、表情が暗い。これらは人間性を直接表している訳ではありませんが、マイナスのイメージを与えてしまうのは避けられません。
ブランクのある薬剤師では、自分の知識が古くなっていることを気にして、必要以上に卑屈になってしまい、自信を持てずに再就職に臨んでいることが多くあります。
自分に自信がないと面接での対応がネガティブになりやすく、結果として面接の結果に悪影響を及ぼすのです。
そう言った状態にならないように、自分に自信をつけて再就職を有利に進行するため、事前の勉強・準備に時間を割いておくことが重要です。
大手転職エージェントですと、マイナビ薬剤師、リクナビ薬剤師、薬キャリエージェントが有名どころですが、特にマイナビ薬剤師は、対面での面談に力を入れ手厚いフォローに定評があるので、ブランクに不安のある再就職希望の薬剤師に対してしっかりサポートをしてくれます。
相談だけでも問題ないので安心して利用できますよ。
名前や連絡先などの必要事項を記入したら登録完了です。登録後は、担当コンサルタントから電話で連絡がきますのでご自身の状況やブランクの悩みを相談しましょう。心強いサポートをしてくれますよ。