日々の業務が基本的に立ち仕事である薬剤師は、腰に負担がかかりやすい職業の一つです。
加齢によって起きる腰痛ではなくても、一度患ってしまえば改善することは非常に難しくなります。
仕事柄、関節に負担がかかるのは仕方のないことですが、できることなら元気に働いていきたいものですよね。
今回は、薬剤師が抱える腰痛の悩みについて、その原因と改善方法を含めて解説していきます。
あや
きよみ
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モンブラン
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腰を痛めてしまった薬剤師の相談内容
相談内容
長時間の立ち姿勢と狭い調剤室で薬剤を取ろうと無理に体をひねったりしたことが原因だと思います。
周りの薬剤師が配慮してくれて、仕事の合間に椅子にすわらせてもらったりしているのですが、毎度のこととなると申し訳ないです。
立ちっぱなしの仕事柄、薬剤師の業務に腰痛はよくあることですが、このまま苦痛を感じながら働き続けるのは正直厳しいです。
薬剤師の仕事をする上で腰への負担は必ず発生してしまうため、一度腰痛になってしまえば、しっかりと改善策を練らなければズルズルと症状が長引いてしまいます。
そのつらさは周囲の薬剤師も理解しているため、業務中に小休止を取ってもらうという対策は多くの薬局で実施されていますが、小休止している本人にしてみれば周囲に迷惑を掛けているように感じてしまい落ち着かないものですよね。
このような状況を改善するためには、原因をしっかりと理解し、それに対して対策を練っていかなければいけません。
薬剤師が腰痛を発症する3つの主な原因
腰痛を起こしてしまってからその都度対処している状況では、いつまでたっても治ることはありません。延々と腰痛に付き合っていくしかないことになります。
そこで、薬剤師に腰痛持ちが多い原因を解明し、その原因を改善するための対策を練っていきましょう。
腰痛の原因1:筋肉疲労と血流不全
薬剤師の業務は基本的に立ち仕事、調剤や監査では中腰になることも多く、腰の周囲の筋肉にかなりの負担を強いている状況です。
筋肉に負担がかかることで炎症が起き、筋肉の伸縮性が低下して、その周囲に走っている血管の周囲の筋肉も凝り固まってしまいます。
血管の周囲が固まることで血流が滞ってしまい、発生した炎症の回復が遅れてしまうのです。
完全に回復する前にまた業務に入ることで炎症は加速し、慢性的な腰痛となってしまう原因となります。
腰痛の原因2:調剤室内の靴・サンダルの問題
調剤室は土足厳禁であるため、調剤室用にサンダルや靴を用意していると思いますが、その靴は足にきちんとフィットしているでしょうか?
日中のほとんどの時間を調剤室で過ごしている薬剤師は、室内履きの靴が重要な問題となるのです。
靴が合っていないと歩き方がおかしくなって腰に負担を掛けてしまい、クッション性が低ければ地面の硬さがダイレクトに関節へのダメージに転換されてしまいます。
薬剤師の正しい靴選び!疲れにくい靴と気になる臭いの対策方法とは?
腰痛の原因3:腰骨の摩耗
通常の腰痛は、適度の運動で改善していくものですが、逆にひどくなるのなら、骨の摩耗が原因かもしれません。
腰のあたりを支えている背骨が圧迫骨折してしまうことで痛みを感じたり、それによって保護されていた神経がはみ出してしまうことで軽度のヘルニアになっている場合もあります。
痛みに伴ってしびれが起きているようなら、この原因が考えられるでしょう。
骨盤のゆがみと腰痛は関連性はない
腰痛の原因に骨盤のゆがみを指摘されることがありますが、じつは骨盤のゆがみと腰痛には、明確な関連性はないんです。
基本的に人間の骨格は正確に左右対称になっておらず、普通に生活していれば骨盤はゆがんでいるものです。
すべての人が腰痛ではないことから、骨盤のゆがみだけを切り出して原因だと判断するのは早計だと言えるでしょう。
腰痛を発症した結果、片側をかばって歩くことが増えて、そのために骨盤がゆがんでしまったと考えられます。
ですので、骨盤のゆがみを強制することで腰痛が改善するというのは、あまり現実的ではありません。
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薬剤師が腰痛を軽減・改善する3つの方法
薬剤師の腰痛の原因が分かったところで、ひとつひとつ解決策を練っていきましょう。
腰痛対策グッズを導入するだけで簡単にできるものから、日々の生活改善を要するものまで様々ありますが、まずは小さな一歩からスタートしていき、腰痛を楽にしていきましょう。
改善法1:自分にぴったり合った内履きを用意する
ただ靴を変えるだけで腰痛の改善につながりますので、まずはここから始めてみるのはいかがでしょうか。
靴を変えることで歩き方も自然に矯正され、腰痛の根本的な解決になる例もあります。
腰痛を軽減してくれる靴の条件として、下記のものを選んでいきましょう。
内履き選びのポイント
- 床からの衝撃を緩和してくれるクッション性の高い靴底のものであること
- 大きさがぴったりと合っているもので、中で足が滑らないものであること
- 縫製がしっかりとしていて、硬めに設計されているものであること
ちなみに、人間の足は夕方になると大きくなる性質がありますので、靴を選ぶ際には夕方に足のサイズに合わせて購入してください。
改善法2:ストレッチやマッサージ・温浴で血流循環
同じ姿勢を続けることで腰の筋肉に疲労がたまり、血流も悪くなって炎症が持続してしまっている際には、定期的にストレッチで筋肉をほぐしてあげることも重要です。
腰に手を当てて、大きく後ろにそらせるだけでも血流の改善につながり、筋肉の凝りをほぐす効果が期待できます。
適度な運動も血流を促すので、腰痛に対する良い効果が期待できます。
自分だけのストレッチでは改善しない場合には、整体やマッサージを利用するのも一つの手段です。
ぬるめのお湯に長く浸かる半身浴も、疲労物質の解消や血流の改善に効果があるのでオススメです。
改善法3:整形外科での治療
しびれが伴う場合や、長時間の歩行が困難になっている場合などでは、しっかりとした治療が必要になります。
現在ではヘルニアも保存療法が一般的になっているため、手術や注射は必要最低限になっています。
圧迫骨折が起きているのなら、きちんと対処しなければ、後々回復が困難になってしまいます。
整形外科で装具士に骨盤補助ベルトを作成してもらうこともできますので、一度診察を受けることも視野に入れていきましょう。
慢性的な腰痛持ちにはDI職や薬事、コピーライティング職などのオフィスワークへ
立ち仕事がきついのであれば、オフィスワークが主体の業務に転職することも考慮していきましょう。
椅子に座っていれば回復するというものでもないですが、立ち仕事を続けているよりは回復の見込みがあります。
幸いにも薬剤師の資格があれば、企業での就職も比較的簡単に行うことができるのです。
代表的な薬剤師のオフィスワークでは、DI職や薬事申請の業務があり、文章を書くのが好きなのでしたら、メディカルコピーライティング職も可能です。
自分自身の体を考えて、最適な判断を下していきましょう。
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まとめ:腰痛対策は日々の生活改善から!
薬剤師の職業病ともいえる腰痛は、ベテラン薬剤師になるほどに悩まされるものです。
腰痛はきちんと対策を練れば、完全に治すことは難しいとしても、症状を軽減させていくことは可能なのです。
日々の業務の忙しさに追われて、自分の体のメンテナンスをおろそかにしていれば、いつまでたっても腰痛は改善しません。
人の体を治すのが薬剤師の仕事ですが、たまには自分の体も労わってあげましょう。