現在、先発医薬品では承認申請資料(CTD)が義務化、ジェネリック医薬品も2017年3月から原則義務化になりました。
こういった時代背景の中、重要になってくるのが、CTDを作成して申請を行う薬事業務担当者です。
薬剤師が多く活躍している薬事業務に関して、その業務内容と転職の状況に関してお話ししていきます。
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医薬品開発の最終フェーズ!薬事申請の仕事内容とは?
薬事申請の仕事内容を簡潔に説明すると、規制要件に合致したわかりやすい申請資料を作成し、医薬品の製造販売承認取得に努めることとなります。
ただし、薬事業務といえども企業や部署によって担当している作業内容は異なり、開発支援、承認申請、薬事監査、広告・宣伝物の薬事確認なども含めて、行うことは様々です。
ここで、薬事が担当している仕事について確認しておきましょう。
薬事申請業務の主な4つの業務
- 厚生労働省への申請書等の作成・届出・対応
- 製造販売元との協議
- 添付文書の作成
- 広告・宣伝物の薬事確認
厚生労働省への申請書等の作成・届出・対応
薬事担当者が行う業務の中で最も重要だと言えるものが、厚生労働省とのやり取りです。
まずは治験などを通して得られた情報をわかりやすくまとめ、申請書を不備なく作成していきます。
無事に提出した後には、それらの書類に問題がないかを薬事審査専門員との面談で証明し、製造販売の承認まで勝ち取らなければいけないのです。
ここでは、医療・医薬品の知識だけではなく、法的な知識・適切に書類を作成する能力や審査専門員を納得させられるだけのコミュニケーション能力も求められます。
現代では、薬事申請はFD(フレキシブルディスク)申請となり、オンラインで処理されていますので、パソコンに関わる知識・スキルも大切な要素です。
FDなどを用いて、オンラインで直接申請書を作成・送付できるシステムです。過去にはフロッピーディスクの別名としてもFDは用いられていますが、ここではCDやリムーバルディスクを含めた磁気記憶媒体全体を意味しています。
製造販売元や販売元との協議
製造元や販売元など、医薬品や医療機器を流通させるために複数のメーカーが協力している場合があります。
その場合では、権利の区分や申請の方法などを薬事担当者が担うことになり、それぞれで協議を行う必要があるためにコミュニケーション能力が必須です。
外国製の医薬品を日本で承認・販売していくのであれば、その協議では英語力が不可欠となります。
添付文書の作成
有効性や安全性、注意点などを記載した添付文書を作成する業務を行っています。
外国製のものを日本で販売するため、英語で書かれた添付文書などを翻訳することもありますし、日本製だとしても英語で書かれている論文から必要な事項を抜き出していく作業も存在します。
どちらにしろ、高い英語力が求められるのです。
広告・宣伝物の薬事確認
新たに製造・販売することが決まった商品は、様々な形で広告をしていくことになります。
医薬品や医療機器、化粧品などではその広告に法律による規制がかけられており、その規制を準拠できていなければ200万円以下の罰金などの重い刑罰が下されることになるのです。
違反した広告を掲載していたというのは、商品イメージ・企業イメージの低下を引き起こし、全体的な損害は罰金の比にはなりません。
薬事担当者は、そのようなことが起きないように、常に目を光らせている必要があります。
書類作成から上市に到るまでのプロセスとは?
薬事申請担当者は、治験などから得た情報をもとに製品開発の経緯や有効成分・安全性などの必要項目を満たした書類を作成し、厚生労働省に提出します。
その後、政府側が用意した審査専門員との面談が実施され、申請書類に不備や偽りはないのか、厳正に審査されます。
その審査を無事に通過したのちに、製造工場のシステムや製造ラインが法律を準拠しているものかの検査が行われ、すべてを通過できたのなら厚生労働大臣からの承認を得ることができ、販売を行うことが可能になるのです。
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薬事申請担当者が働く会社(業種)とは?
薬事申請業務を行う必要がある業種は限られています。
薬機法の規制を受ける製品を製造販売しているメーカーが該当し、具体的には製薬会社、化粧品会社、医療機器会社です。
中には、医薬部外品のシャンプーなどを独自商品として販売している美容院も存在しますが、次々と新商品を販売していく必要がない企業では製造を他社に委託することが多く、あえて薬事申請業務担当者を用意することは稀です。
それでは、会社ごとの業務の違いについて説明していきます。
製薬会社
製薬会社では、国内資系であるか外資系であるかによって、多少英語力の必要性が変わりますが、どちらにしろ高い能力が必要であることに変わりはありません。
薬事申請担当者は、新薬の申請書の作成や他社・政府との協議、添付文書の作成や広告の監査などを行います。
医療機器会社
医療機器会社での薬事申請担当者は、新たな医療機器の申請書の作成や他社・政府との協議、添付文書の作成や広告の監査などを行います。
医療機器会社でも製薬会社と同じように高い能力を求められ、英語力やコミュニケーション能力は必須です。
薬剤師にとってはあまり馴染みのない医療機器に関する業務になる為、難易度は高くなるでしょう。
化粧品会社
化粧品会社に薬事申請担当者は、新たな化粧品・医薬部外品の申請書の作成や他社・政府との協議、添付文書の作成や広告の監査などを行います。
品質管理のための業務を行うこともあり、製薬会社・医療機器会社に比べれば難易度は低くなりますが、その分収入なども低めになってしまいます。
ドラッグ・ラグとデバイス・ラグとは?
ドラッグ・ラグとは、海外などで開発・販売された医薬品が、日本で承認・発売されるまでの時間の遅れのことを指しています。
同様に、デバイス・ラグとは海外で開発・販売された医療機器が、日本で承認・発売されるまでの時間の遅れを指しています。
これらの原因となるのは、日本政府の承認体制の不備や、臨床検査(治験)を実施できる施設の不足などが挙げられています。
アメリカやイギリスでは、新薬が開発された後に治験や承認作業などを経て販売されるまで、1年~2年が目安となります。
しかしながら日本では、開発されたあとの業務が滞りやすく、4年~5年が掛かってしまうことがよくあります。
これらの時間の遅れを解消していくためにも、薬事業務の職務として医薬品・医療機器に関わる申請をスムーズに行っていくことが求められているのです。
医薬品知識と英語力があるだけでは薬事の仕事は務まらない
薬事業務に求められているスキルとは、医薬品知識・英語力がすぐに思い浮かびますが、それだけではありません。
医薬品知識・英語力は当然高いレベルで保持していることが前提条件として、それに加えて公文書作成のための法的な知識・医薬品のみではない全般的な医療知識・審査担当者を納得させられる話術など、様々なスキルを必要とされているのです。
薬事業務で必要とされている知識・スキルを羅列していきましょう。
必要とされている知識・スキル
- 医薬品に関する全般的な知識
- 人体や医療に関する知識
- 薬に関する法律の知識
- 公的文書の作成スキル
- ビジネス現場で通用する読み書き会話の英語力
- 審査担当者と専門的な高いレベルで話ができるスキルなど
一言で英語力といっても、一般的な英会話能力と論文を読解することは全く異なります。
薬事業務で使用される英語は一般的な英会話だけではなく、専門用語まで含めて理解できる英語力なのです。
TOEICの点数を応募条件に定めている企業もありますが、それはあくまでも足切りのためで、実際に必要となるのはより実践的で専門的な英語力。
自分よりもTOEICの点数が低い同僚が実践的な英語力に特化していて、実務では自分よりも活躍しているなんてこともザラにあります。
様々な企業や政府機関とのやり取りが必要になるため、高いレベルのコミュニケーション能力が必須となります。
プレゼン能力や交渉力、話術などが総合的になければ、スムーズな業務進行は難しくなってしまうでしょう。
未経験者は原稿チェックなどのサポート業務からスタート
薬事業務担当者として就業したとしても、初めからバリバリ仕事ができるわけではありません。
初めは先輩のサポートや原稿のチェックなど、簡単で責任の軽い業務から担当していくことになります。
業務の進め方や正しい書類の作成方法など、日々の業務の中から学んでいき、まずは知識と経験の蓄積から行っていくのです。
専門性の求められる薬事申請担当者の平均年収は500万〜700万!
薬事業務では、非常に高い専門性を求められているため、それに伴って収入も高く設定されています。
自社の新商品の明暗を分けると言っても過言ではない業務ですので、全力で業務にあたることができる待遇を提供しているといえるでしょう。
薬剤師の平均年収以上は当たり前であり、持っているスキルや経験年数によっては、さらに高い年収を得ることも可能となります。
基本的に残業などもなく、しっかり休暇も得られる仕事です。
勤める企業によってその収入には大きく幅があるものですが、収入だけに縛られず、自分に合った待遇であるのかも併せて考えていきましょう。
薬事の年収・給料
- 平均年収:500万円〜700万円
- 平均月給:35万円~50万円
- ボーナス:80万円~120万円
- 薬事の経験が5年以上あれば年収700〜800万
- 外資系製薬会社の部長ポジション1200万〜1500万円
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薬事職の求人は非公開が基本!転職サイトの活用が必須
薬事業務に関する求人は数が少なく、そのほとんどが非公開求人として募集されています。
自分の力だけで満足のできる求人を見つけることは、非常に困難だと言えるでしょう。そこで、薬事業務の求人を探すためには、是非とも転職サイトを活用するべきなのです。
転職サイトでは非公開求人を数多く取り扱っており、薬事業務に関しての求人も転職コンサルタントから紹介してもらうことが可能になります。
薬事の求人例
東京都千代田区、年収1000万目指せる薬事申請業務担当者(未経験応募可能)
参照:マイナビ薬剤師
大阪市中央区、未経験・ブランクから働ける薬事申請業務担当者
まとめ:薬剤師の新たな姿、薬事業務は法律のスペシャリスト!
医療を提供するばかりが薬剤師の仕事ではなく、世の中に良い医薬品を生み出すことも薬剤師の大切な任務です。
そのための仕事では研究職や治験業務職などが一般的ですが、薬事業務職もスペシャリストとして重要な役目となります。
医療・医薬品の知識を持ちながら法律に準じた申請を行うというのは、これほど薬剤師に適した業務もないでしょう。
社会貢献できるやりがいと高い収入が得られる薬事業務は、薬剤師が活躍する新たな姿なのです。
人気の高い薬事職の求人を多く扱う転職サイトとは?
有名どころの転職サイトですと、マイナビ薬剤師、リクナビ薬剤師、薬キャリエージェントがありますが、特にマイナビ薬剤師は、職場の内部情報を熟知している上、交渉力にも定評があるので年収を下げずに薬事職への転職が期待できます。
初めて転職する業界では、その転職先企業の状況や福利厚生・待遇などの情報が不足しがちになりますが、転職コンサルタントのサポートを受けることによって、不足しがちな情報を適切に補完してもらうことが可能になります。


製薬会社や化粧品会社など、薬事職を募集する求人数は少ない上に人気職なので、募集があると応募者が殺到することがほとんどです。
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名前や連絡先などの必要事項を記入したら登録完了です。登録後は、担当コンサルタントから電話連絡がきますので薬事職求人の動向を聞いてみましょう。心強いサポートをしてくれますよ。