長年同じ職場で勤務しており、周りに自分の価値観を押し付けるような態度をとる女性をお局様と呼んで揶揄しますが、薬剤師業界でもお局様は存在しています。
特に薬剤師は女性比率の高い職業ですので、お局様に遭遇する確率は圧倒的に高いと言えるでしょう。
お局様といえば、毎日嫌味を言われたり、明らかな冷遇をされたりといったパワハラ行為。
耐えられるものではありませんよね。
薬剤師が職場で遭遇する可能性があるパワハラについて、その対策まで含めてお話ししていきます。
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パワハラを受けている薬剤師の相談内容
実際にパワハラを受けている薬剤師からの相談を基に、パワハラの状況と問題について確認していきましょう。
他人の状況と比較することにより、自分自身の状況を再確認する助けになるはずです。
由理さん パワハラでの退職経験
育休からの職場復帰で保育園に子供を預けながら働いていましたが、その上司はわざと帰る間際に仕事を頼んでくるので度々保育園の迎えが遅くなっていたんです。
このままだと保育園に迷惑がかかると思い上司に「余裕を持って仕事をふってほしい」と頼んだところ、「もっと効率的に仕事ができれば定時に帰れるんじゃない」っと言われ、唖然としてしまいました。
挙げ句の果てには、子供が熱を出したと保育園から連絡があった時に早退をお願いしたら仕事が忙しくて回らないからと早退させてくれませんでした。
結果的に母にお願いして迎えに行ってもらいましたが、これ以上働くのは耐えられず退職しました。
上司は独身なので絶対僻んでるんだと思います。
自分に何か悪いところがあるのではないか。
初めてパワハラを受けた時には、まずは自分自身に原因を求めてしまいますが、実際にお局薬剤師がパワハラに走る原因となるものは、ひがみ・ねたみが根底にある場合が多いものです。
自分より若くて、みんなにチヤホヤされている。プライベートが充実していそう。幸せそうに見える。
お局薬剤師のコンプレックスが刺激されてしまうことが原因にある場合には、自分の努力によって現状を改善することは不可能に近いでしょう。
パワハラについて会社に訴えても、お局薬剤師から恨みを買って、さらに陰湿な行動をとられてしまうことも否定できません。
パワハラを受けている薬剤師の本音
パワハラという悪しき干渉を受け続けている薬剤師にも、その心の中には怒りと恨みが渦巻いてくるものです。
殊勝な心掛けで自分の行動を顧みて、何か問題になる部分があるのではないかと考えてみる時期もあるでしょうが、いずれ黒い感情が湧き出てくることは仕方のないことなのです。
その感情を恥じることはありません。
ここで、パワハラを受けている薬剤師の本音を見ていき、自分だけではないとひとまず安心してもらえれば幸いです。
パワハラを受けている薬剤師の本音
- 訴えたい
- 復讐したい
- 辞めさせたい
- 止めさせたい
自分に対する理不尽な要求や態度、それらに返す感情は、当然やり返してやりたいという気持ちに落ち着きます。
- 今までの行いの代償を払ってもらうにはどうすればよいか。
- 法的な手段に訴え出て勝てるのだろうか。
- 自分の前から消えてほしい、あいつさえいなければ平和な職場になるのに。
こういった気持ちになるのは人間として当然のことです。まずは、パワハラの定義を確認し、戦う準備を整えましょう。
パワーハラスメントの定義と分類
パワーハラスメントの定義
パワハラは「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」
パワーハラスメントの分類
- 身体的な攻撃(暴行・傷害)
- 精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
- 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外れ・無視)
- 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
- 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
- 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
病院・調剤薬局はパワハラが起きやすい労働環境が揃っている
パワハラが起きやすくなる環境には、一定のパターンが存在しています。
【ミスが許されない】【忙しい】【対人ストレスがある】など頭脳面と肉体面の双方に負荷がかかる仕事では、パワハラが起きやすくなるというデータがあるのです。
この条件からみると、薬剤師が働く病院や調剤薬局は、見事にパワハラが発生しやすい環境となっていることがわかるでしょう。
特に薬剤師は専門性が高い職種のため、個人の自律性が高く組織統制がしにくいことも要因の一つとなっています。
密閉された空間に決まった人だけが出入りする環境は、その環境内で序列をつけようとする本能が働いてしまい、マウンティング行為としてのパワハラが誘発されてしまうという側面もあるのです。
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パワハラの対策方法
パワハラに遭遇している現状を打破するため、その対策について準備しておきましょう。
初期:原因究明して見解の統一を図る
被害を受けている自分はパワハラだと認識していても、加害者側ではパワハラと認識していない場合が多くあります。
この段階で上層部に訴えてしまったり、パワハラだと対決してしまっては、後々にいらない遺恨を残すことになってしまいます。
まずは自分に何か問題があるのか、何を改善することで状況は改善するのか、加害者側に相談するようにして見解の統一を図りましょう。
中期:職場内に協力者をつくる
加害者側がパワハラを行っているのは個人に対してなのか、だれかれ構わずなのかによって多少対策は変わりますが、数の力を利用するのは非常に良い手段です。
孤立している人はパワハラのターゲットになりやすいものですので、まずは職場内に支援者を持つことを考えましょう。
パワハラの相談をできるようになれば、何か問題が発生した場合に証言を貰うこともできます。
1対1で対決することを考えるよりも、職場全体でパワハラの排除を目指す空気を作ることができれば、最高の結果に導くことができるでしょう。
後期:パワハラ窓口やさらに上層部へと訴え出る
職場内だけでは対応できない状況となってしまっては、上層部に訴え出るしかありません。
最近の企業ではパワハラ窓口を設置しているところが多く、きちんと就業規則にパワハラ規定を設けているところがほとんどです。
パワハラの発生は会社としての責任となる部分もありますので、起きている事実を伝え、現状の回復をお願いするのがよいでしょう。
末期1:相手との距離を取る
パワハラが長く続いてしまった後には、関係を修復することは難しくなります。
ほとぼりを冷ますためにも、相手と距離をとることを考えましょう。
複数店舗を持っている企業であれば転勤や、一店舗しかないのであれば退職も一つの手段として考慮する必要があります。
なぜ自分が辞めなきゃいけないんだ、相手を排除したい!と考えるのなら、法的な手段に訴え出ることが必要になってきます。
末期2:法的な手段に訴える用意を周到に行う
パワハラととらえることができる証拠を、日々の生活の中から集めていきましょう。
個人の証言だけでは、証拠能力が低く勝利を勝ち取ることはできません。発言を記録するレコーダーは必須のアイテムです。
現在はスマホのアプリでも高性能なレコーダーとして活用することができますので、手ごろに証拠集めに使用できます。
明らかな物的証拠も隠滅の可能性は捨てきれません。
写真にとっていつでも提出でいるように用意しておきましょう。
証拠がどんどん集まっていくことを考えれば、パワハラによる精神的なストレスも緩和できるというものです。
裁判でのパワハラ認定の増加
パワハラに対して法的な手段での対応を行っている例が、全国的に増加しています。
この事実に対して、パワハラの数が増えていると考えるのは早計です。
今の社会常識に照らして考えれば、実際にはパワハラであったと考えられる例は、過去にもたくさん存在していたのです。
その当時、パワハラという概念自体が存在しておらず、それが表に出てきていなかっただけであると言えるでしょう。
パワハラという個人を保護するための概念が確立し、それに対する法的な対処も可能になった現代において、その判例が増加するのは自然な流れなのです。
実際にパワハラとして認定され、賠償金も発生した事例を紹介いたします。
誠昇会北本共済病院事件
准看護師として勤務していた方が自殺し遺族が加害者と病院を訴訟。原因がパワハラであったことから加害者に1000万円、病院側に500万円の連帯責任が確定しました。
企業ではパワハラ規定が用意されることが当たり前になった現代では、明らかなハラスメント意識を持ったケースは少なくなってきています。
ですが、自分勝手な行き過ぎた指導を行った結果、それがハラスメントとなってしまうという事例は多くなっているのです。
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まとめ:パワハラに耐えるだけでは何も変わらない!適切な行動を!
パワハラという概念が共通認識になった現代社会では、明らかなハラスメント意識をもったパワハラは減少しています。
ですが、当事者もパワハラと認識していない状況で、厳しく指導しているだけという無意識化で行われているパワハラは多く残っています。
それに耐えているだけでは、現状が良い報告に向かうというのは考えにくいでしょう。
当事者がパワハラと認識していないのであれば、会社に訴えることで状況が改善するかもしれません。
改善しないのであれば、しかるべき対処を自分自身で選択していかなければいけません。
ですが、行動しなければ何も変化しないのです。
耐えるという選択肢を取るのではなく、良い方向に向かわせるための行動を選択していきましょう。