薬剤師は医師と患者に板挟みにされ、日々壮絶なストレスを受けて業務に当たっています。
医療者としての責任にも悩まされ、どれだけ経験を持っていてもストレスからは逃れられない職業といえるでしょう。
今回は薬剤師が受けるストレスをケース別に確認していき、ストレスとの上手な付き合い方についてお話ししていきます。
あや
きよみ
モンブラン
ストレスを溜め続けない為に!転職サイトランキング | ||
---|---|---|
マイナビ薬剤師 |
じっくり重視 サポートが充実 ミスマッチが少ない |
|
薬キャリエージェント |
スピード重視 優良な病院求人 細かなニーズにも対応 |
|
ファルマスタッフ |
派遣重視 研修制度が充実 社会保証完備 |
薬剤師がストレスを感じるケース別の原因とは?
薬剤師がストレスを感じるのは、新人でもベテランでも変わりありません。
どの年代においてもストレスの原因となることを抱えていますが、その原因となるものは千差万別であり、ひとまとめにはできないものです。
薬剤師がストレスを感じるケースを立場や状況ごとに見ていきましょう。
新人薬剤師がストレスを抱える原因
新人薬剤師編
- 指導する役割の人はいるのにいつも忙しそうで何をしていいかわからない
- 先輩薬剤師にわからないことを聞いたけど、露骨に嫌な顔をされた
- 先輩シフトが優先のため休みの希望がださせない
- 自分の思い描いていた薬剤師像と現実は違っていた
- 調剤ミスが不安で常にプレッシャーを感じる
- 指導といじめの境界線がなく、人格を否定されるようで辛い
- いくら頑張っても仕事が終わらない
新人薬剤師の受けているストレスは指導役となった先輩薬剤師が起因となっていることが多く、初めて実際の医療現場に出て体験する薬剤師の業務に対する不安 や、理想と現実の落差に思い悩んでいる例が多くみられました。
慣れない職場での心細さに加え、先輩薬剤師との人間関係にも問題が起きやすい点がストレスとなっています。
中堅看護師がストレスを抱える原因
中堅薬剤師編
- 指導する立場になり、新人に付き添っているため残業が増えて疲れが取れない
- 新人のミスの責任が自分になる
- 上司と後輩の板挟みで、業務外の雑務が増えた
- 家事育児と仕事の両立が思いのほかできない
- 毎日の残業と休憩もろくに取れない環境のせいで自身の健康に不安を感じる
- 患者や同僚、医師からの無理難題で自分自身の仕事が進められない。
中堅薬剤師となると受けるストレスも変わってきます。
仕事に対する責任が増え、受け持つ仕事も増えていくことで、自分の時間が浪費されて休息をとることもできず、心身ともに強いストレスを感じてしまいます。
新人の教育など、自分の実力がどれほどあっても処理しようのない状況は、精神衛生上強い負担となりえます。
人間関係が原因のストレス
人間関係編
- 私にだけに威圧的な態度の薬剤師と一緒に仕事をするのが苦痛
- 患者とうまくコミュニケーションが取れない、噛み合わない
- 陰口が日常茶飯事で足の引っ張りあいの職場に疲れる
- 心を許せる同期や先輩が転職してしまって、悩みが相談できなくなった
- 上司からも患者からも暴言を言われ心が折れた
- 医師や看護師からの風当たりが強い
人間関係の問題は職業に限らずあるものですが、薬剤師がかかわりのある人間関係は特に難しいものです。
自分の体調に不安のある患者は態度が悪くなってしまうこともありますし、医師や看護師など、その領域の専門家は厳しい意見をぶつけてきます。
身内と思っている職員でも陰口が横行しているという状況であれば、心が休まる時間が無くなってしまいますよね。
労働環境、待遇が原因のストレス
労働環境・待遇編
- 忙しさに対して給料が見合っていない
- 毎日残業しているのに残業代がつかない
- 人手不足でまとまった休みが取れずここ数ヶ月まともに出かけていない
- 他の薬剤師が仕事に対する責任感がなさすぎて仕事をしない、その分負担が私にくる
- 有給などの休み申請に理由を聞かれ、嫌味を言われる
- 会社主催の会合が多すぎる
給与や休暇などの待遇が充実していない状況も、日々のストレスとして蓄積していきます。
ストレス解消につながる外出もできず、自宅と職場の往復ばかりの日々では、頑張って働いている意義を見失ってしまいますね。
労働に対する対価も低ければ、何を支えにしてモチベーションを維持すればいいのかわからなくなってしまいます。
個人事情が原因のストレス
個人事情編
- 子供の行事に全く参加できていない
- 仕事のやりがいを見失ってしまった
- ついつい友人薬剤師の職場と私の職場を比べてしまう
- どうしたら辞められるかばかり考えている
薬剤師という職業は、高い倫理観と知識によって成り立っていますが、それを維持するモチベーションを失ってしまっては、日々の生活自体がストレスになってしまいます。
子供や家族のために時間がとれなければ、何のためにつらい思いをしながら働いているのか、目的を見失ってしまうのです。
他人の職場がうらやましくなったら、ストレスも限界に近づいていると考えたほうがいいでしょう。
あや
きよみ
モンブラン
あや
モンブラン
ストレスを溜め込んでしまうと心身の不調につながるので注意
適度なストレスは人間にとって必要なものであり、状況を覆すエネルギーを生み出す原動力となります。
まったくストレスがない状態に比べて注意深さと認知能力を向上させることが判明しており、業務に対しても良い効果を与えてくれるのです。
しかし、過度のストレスとなってしまっては人体に対する有用な効果は期待できず、心身の不調を生み出す原因となります。
ストレスが原因の心身の不調
過度のストレスによって引き起こされる心身の不調
- 自律神経が乱れで慢性的な頭痛やめまいがおきる
- 交感神経が刺激されイライラしている状態になりやすい
- モチベーションが湧かない
- 女性の場合、ホルモンバランスが崩れニキビや肌荒れになりやすい
- ストレス性の胃潰瘍や気分障害になる
まずストレスが溜まっていくことで、体に起きる不調のメカニズムを確認していきましょう。
人間がストレスを感じると、心身を防御するために様々な反応が体内で起きていきます。
これをストレス反応といいますが、ストレスによる影響を避けて通常の状態を維持するために、まずは防御反応として血圧の上昇、血糖値の上昇、体温の上昇が引き起ります。
この状態が処理能力の向上を促している部分ですね。
ですがそれも長期間維持できるわけではなく、ストレスが持続してしまった場合には逆に血圧の低下、血糖値の低下、体温の低下が起きてしまいます。
この状態では副腎皮質ホルモンの分泌量が過剰になっており、さらに交感神経の亢進によって無理やりにエネルギーを絞り出し、ストレスに対応している状態となるのです。
ホルモンバランスが崩れ、自律神経の異常な高ぶりで状態を維持しようとしているため、肌荒れ、胃痛などが発生してきます。
ここからさらに長期間ストレスにさらされた時には、絞り出していたエネルギーも枯渇してしまっているために、疲労感がどんどん蓄積するのみになるのです。
ここまで進行してしまった時には、ストレスが原因のうつ病にまで発展する危険性があり、ストレスの原因になるものから逃避する以外に回復する手段はありません。
私うつ病予備軍?薬剤師が気分障害を感じたら!セルフチェックと対策
あや
モンブラン
あや
きよみ
モンブラン
先輩薬剤師伝授!気持ちが楽になる5つのストレス解消法
ストレスに思い悩んでいる薬剤師がいる一方で、ストレスとうまく付き合って、自分のエネルギーに変換している先輩薬剤師も存在しています。
そんな先輩薬剤師が活用している、気持ちが楽になるストレスの解消法をお伝えします。
ストレス解消法1:スポーツで汗を流そう!
ありきたりな発想と思われるかもしれませんが、実は一番効果があるのがスポーツなんです。
スポーツには交感神経と副交感神経のバランスを調節し、自律神経を調律する効果があります。
最初から激しいスポーツをする必要がありません。
短い時間のウォーキングや軽い筋肉トレーニングでも十分に効果を実感できるでしょう。
これらの運動には、正常なホルモンの分泌を促す効果が期待できます。
ストレス解消法2:半身浴でリフレッシュ!
半身浴とは、ぬるめのお湯に腰~みぞおちの辺りまで入って、30分程度の長い時間入浴することです。
半身浴は水圧やお湯の温度による負担が少ないため、体に優しい入浴方法として知られており、寒暖の差によって自律神経の不調を回復させ、疲労物質の代謝も促進されます。
足のむくみや冷え性の改善など、さまざまな良い効果も併せて期待できますね。
自宅でできる気軽なストレス解消法ですが、半身浴を活用する時には、水分補給を忘れずに!
ストレス解消法3:アニマルセラピーでほっこり!
アニマルセラピーとは、犬や猫などの動物と触れ合うことによってストレスを解消する方法です。
老人ホームなどでも実践されており、動物と触れ合うことで認知機能の改善などのさまざまな良い効果が報告されています。
動物嫌い・アレルギーなどでは利用できない方法ではありますが、時間単位で利用できる猫カフェなどで癒されている先輩薬剤師も多いんですよ!
ストレス解消法4:日々のイライラを文章に書き残す!
ストレスや不安といった感情は、頭の中の記憶領域を使用して構築されています。
何度も同じ悩みを繰り返すのは、脳が短期記憶を使って悩ませているからです。
そこで、日々のストレスに思っていることや不安に思っていることを紙に書き出すことにより、脳内の記憶領域のデトックスをしてスッキリさせる方法です。
簡単すぎて疑わしいと思われるでしょうが、だまされたと思ってやってみてください。
書き出した後には、意外とスッキリしていますよ!
ストレス解消法5:趣味にどっぷりつかる日を作る!
自分が何をするために仕事を頑張っているのか、何が好きなのかを確認することが、生活のメリハリにつながって効果的にストレス解消することができます。
好きなことをしているとき、人間の脳からはドーパミンが分泌され、これはやる気を生み出すホルモンとも呼ばれているんです。
何か趣味を持つことで、ストレス解消のきっかけを作ってみてください。
ストレスを抱え込みやすい人というのは、責任感が強くて真面目で勉強家、記憶力が良い人です。
この特徴は、多くの薬剤師に当てはまっていると思いませんか?
人のことを気にして自分のことを後回しにするような優しい人がストレスで悩まされやすいという悲しい臨床結果もでています。
もっと自分のしたいことを主張して、自由に生きてもバチはあたりません。
ストレスの原因には、自分で何とかできないものもたくさん含まれています。
体を壊してしまうまで耐えるのではなく、環境を変えて、ストレスの原因から離れるのも作戦の一つ。これを逃げていると後ろ向きにとらえる必要はないんですよ。
あや
きよみ
あや
モンブラン
まとめ:適度なストレスは良い効果!ため込み過ぎずに適度に発散を!
薬剤師という仕事は、ストレスと切っても切れない関係です。
医療者としての責任も重くのしかかり、狭いコミュニティである職場での人間関係にも疲れてしまいますよね。
ストレスは適度に存在しているときには人間の能力を高めてくれますが、過剰になってしまうと途端に心身に不調を生んでしまいます。
思い悩みながら解決のために動くことも大切ですが、心と体のバランスを維持することも大切です。程度に発散し、ストレスとの自分なりの付き合い方を見つけてください。
ストレスを抱えている今の職場ではなくても、働ける調剤薬局や病院があるとわかれば、ストレスを上手くコントロールする事ができます。逃げ場を作っておく事は精神的に重要です。ご自身の希望条件にマッチする求人はあるかどうかだけでも調べておきましょう