厚生労働省の調査によるとうつ病などの気分障害といわれる患者数が現在推定111万人いるとされています。
患者数は年々増えている状況で、10年前に比べると20%程度増加していることがわかっています。
つまり、うつ病になってしまうことはなにも特別なことではなく、誰にでも起こりうることなのです。
「もしかしたら、自分はうつ病なのかもしれない」「このまま働き続けたらうつ病になりそう」そう感じてしまった薬剤師のために、うつ病のセルフチェックと改善するための対策を紹介します。
もしすでにうつ病と診断されたのなら、「薬剤師がうつ病になってしまったら、退職?休職?それとも働き続ける?」で、これからどうすべきかを解説しています。
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気分障害・不安障害の種類と症状とは?
気分障害・不安障害といっても、それには様々な種類が存在しています。
単純に気分の浮き沈みの有無で判断できるものではなく、正確に診断するのは非常に難しいものです。
ここで、気分障害・不安障害の種類と、大まかな症状・状態について確認してください。
気分障害の種類は主に3つ
大うつ病性障害(いわゆるうつ病)
気分障害の中で最も多くみられる状態です。持続的な抑うつ状態が続き、意欲の低下や思考能力の低下が起こります。
身体的には、睡眠障害や倦怠感が持続し、食欲の変動が発生します。
過度に食べ過ぎたりまったく食欲がなかったり、体重もそれに伴って変動してしまいます。
双極性障害
うつ状態と躁状態を繰り返す病態で、以前には躁うつ病ともいわれていました。
気分の過度な高揚や感情的な興奮 、睡眠欲求の低下 、多弁などを呈する躁状態と抑うつ状態を繰り返す状態をいいます。
気分変調障害
うつ病の症状は軽度ではあるものの、長期間にわたって抑うつ状態が持続する病態をいいます。
常時落ち込んでいる状態で、疲れやすくなって活力が減退し、生産性が欠如してしまいます。
常に何かに怒っているように感じたり、世間から疎外されているように感じたりすることが多い障害です。
不安障害は主に4つ
適応障害
ある特定の状況に陥ったときに症状が発生し、抑うつ気分が起きたり、過剰に不安感を感じたりしてしまう状態です。
症状が起きるのは場所や行動に依存しており、原因となるものから逃避することで、徐々に症状は回復していきます。
社会不安障害
人に注目されることや人前で行動することに強い苦痛を感じる病気です。
人に注目されていなくても、人が多くいる場所にいるだけで苦痛を感じてしまうことが多く、徐々に社会との接点を避けるようになってしまいます。
パニック障害
突然理由もなく激しい不安に襲われてしまい、めまいや呼吸困難などのパニック発作が繰り返しあらわれてしまう病気です。
発作的に起きてしまうために、どういった状況で起きるのか予測ができません。
強迫性障害
ある行動を辞めることができず、脅迫されているように繰り返してしまう状態です。
例えば、「家のカギを閉めたかどうかが気になってしまい、何度も確認に戻ってしまう」ことや、「病的に手洗いを繰り返してしまう」などが症状として挙げられます。
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うつ病のセルフチェック項目
もしかしたら、うつ病なのかもしれない。そう感じたとしても、すぐに心療内科に受診するのは気が引けますよね。
それなら、まずはセルフチェックをしてみましょう。
セルフチェックを行う際には、自分の気持ちに素直になる必要があります。
変に飾ったりせず、本当の自分が感じていることを表現してください。
もしその結果として、うつ病の可能性が高いとしても、すぐに投薬が必要になるわけではありません。
セルフケアによって回復できる場合もあるのですから、まずは自分の状態を知るために活用してください。
- 体がだるく疲れやすいですか
- 騒音が気になりますか
- 最近気が沈んだり気が重くなることはありますか
- 音楽を聴いて楽しいですか
- 朝のうち特に無気力ですか
- 議論に集中できますか
- 首筋や肩がこって仕方ないですか
- 頭痛持ちですか
- 眠れないで朝早く目覚めることがありますか
- 事故や怪我をしやすいですか
- 食事がすすまず味がないですか
- テレビを見ていて楽しいですか
- 息がつまって胸が苦しくなることがありますか
- 喉の奥に物がつかえている感じがしますか
- 自分の人生がつまらなく感じますか
- 仕事の能率が上がらず何をするにもおっくうですか
- 以前にも現在と似た症状がありましたか
- 本来は仕事熱心で几帳面ですか
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薬剤師は仕事上のストレスを抱えやすくうつ病になりやすい
薬剤師という職業はうつ病になりやすい職業であることをご存じでしょうか?
スギ薬局グループが行った調査によると、薬剤師の約80%が仕事や人間関係についてストレスを感じており、そのうちの約30%がストレスを大いに感じていると回答しています。
精神疾患による労災請求も年々増加しており、先日厚生労働省から発表された平成27年度の精神疾患による労災申請件数は1515件となっており、医療・福祉関係からの請求はそのうちの254件となっています。
薬剤師の受けるストレスは、多忙な業務内容と複雑な人間関係から発生しているものが多くを占めています。
例えば調剤薬局の場合、決して広くはない調剤室に、いつも同じ顔触れで業務を行うことになりますよね。
少ない薬剤師数で業務を行うことで、一人当たりの業務量は多大になり、狭い部屋に押し込まれていることだけでも軽度のストレスを日常的に受けている状態であるのに、そこで同僚との折り合いが悪ければ、さらに人間関係のストレスまで受けてしまうことになります。
医師や看護師との関係や患者対応など、特に薬剤師は人間関係に悩まされやすい職業ですので、うつ病を発症する危険性は十分にそろっているといえるでしょう。
うつ病などの気分障害になってしまったら、薬剤師法の相対的欠格事由に当てはまる?
結論から申しますと、日常生活に問題が生じているのなら、相対的欠格事由に当てはまる場合があります。
ただし、あくまでも相対的欠格事由ですので、症状が改善し、日常生活に復帰できているのなら、欠格には当たりません。
国家資格である薬剤師には、その資格を用いるのに適切ではない例として、欠格事由が存在しています。
欠格事由には絶対的欠格事由と相対的欠格事由が存在しており、絶対的欠格事由では確実に資格を喪失してしまいますが、相対的欠格事由では場合によっては資格が認められるようになるのです。
絶対的欠格事由として挙げられるのが、未成年者・成年被後見人・被保佐人である場合に該当します。
成年被後見人・被保佐人とは知的障害や精神上の障害によって判断力が低下していて、法的な行為を他者に代行させなければいけないという指示を裁判所から通告された人をいい、重度の認知症の場合などが当てはまります。
次に相対的欠格事由として、心身の障害により薬剤師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めているもの・麻薬、大麻又はあへんの中毒者・罰金以上の刑に処されたもの・薬事に関し犯罪又は不正行為を働いたものがあげられます。
すでに免許を持っているのなら、わざわざ調べられて欠格にされるということはありませんので、はっきり言って黙っていればバレないとも言えますが、調剤事故などを起こしてしまった場合に調査が入り、その時点で隠ぺいしていたとなれば、大きな問題となってしまうでしょう。
うつ病予備軍は必読!うつ病にならないための対策
薬剤師はうつ病などの気分障害・不安障害になりやすい職業ですので、そうならないための対策が重要となってきます。
うつ病にならないための対策について、要点をまとめてお伝えします。
うつ病にならないための対策
- 完璧を目指さない
- 太陽の光を浴びる
- 睡眠の周期を一定に保つ
- 食事の偏りを減らし、肉・魚もバランスよく食べる
- 適度な運動を定期的に行う
完璧を目指さない
まずは思考に関するものです。薬剤師になる人は性格的に完璧を求める傾向にあり、そうできなかった時にストレスを感じてしまいます。
完璧を目指すのではなく、及第点で十分と思考転換をすることで、気持ちがとても楽になります。
太陽の光を浴びる
次に大切なことは、太陽の光を浴びることですね。薬剤師は調剤室の中での業務が中心になり、太陽光を浴びる機会が少ない職業です。
太陽光は人間の体内時計の周期を調整する効果があり、睡眠障害やうつ病の治療でも用いることができる、非常に精神衛生に良いものです。
長時間浴びる必要はなく、20~30分を目安に太陽の光を生活に取り入れていきましょう。
睡眠の周期を一定に保つ
睡眠周期の乱れも、ホルモンバランスの乱れや疲労回復不全などをひきおこしてしまうため、注意しなければいけないことです。
早寝早起きが理想ですが、仕事の都合でそうもできないのも現実として存在しています。まずは、毎日一定の睡眠周期に整えることから始めていきましょう。
食事の偏りを減らし、肉・魚もバランスよく食べる
栄養バランスの乱れも、疲労蓄積を引き起こします。特にたんぱく質・脂質の摂取量が少なすぎる場合、脳内のセロトニン量の減少を引き起こし、精神的に不安定になりやすくなります。
適度な運動を定期的に行う
適度な運動も自律神経を整える効果があることで知られており、うつ病の治療としても運動療法がガイドラインに記載されています。
具体的にうつ病へのメカニズムがはっきりと判明しているわけではありませんが、適度な運動を行っている群が行っていない群に比べてうつ病の発症リスクが少ないという報告もあるため、対策としては十分効果的でしょう。
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まとめ:精神的に疲れてしまったら思いきって環境を変えよう
精神的な疲れは、その原因となるところから離れることにより回復するという例が多く存在しています。
いままでの職場で踏ん張るという選択肢もありますが、状況は待っているだけでは改善しません。
現実的な回復手段として新天地を求めるのが最善ではないでしょうか。
そうはいっても、すぐに転職活動を始める必要はありません。
新たなことを始めるのは、人間にとってのストレスの原因となります。
まずは情報収集の一環として転職エージェントに登録するだけで十分でしょう。
情報収集することで選択肢の幅が広がり、「ストレスを抱えながらこの職場で働く必要はない」と精神的に余裕が出ます。
精神的に余裕が出ることで、今まで悩んでいたこともさほど大きな問題と捉えないようになるでしょう。
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登録したからと言って転職をしなければいけないわけではありません。まずは自身のストレスを改善するためにコンサルタントに悩みを相談してみましょう。
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