正社員で働くことが良しとされる風潮が未だにありますが、、正社員としての働き方だけではなく、私たちは自分の理想とするライフスタイルに合わせて様々な働き方を選択することができます。
働くことと正社員になることは、イコールで結ばれるものではないのです。
今回は、薬剤師の雇用形態とそれぞれの特徴、メリット・デメリットについて紹介していきます。
あや
モンブラン
きよみ
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5種類の雇用形態から自分に適した働き方を考える
薬剤師の雇用形態は、大きく分けて5種類存在しています。
それぞれにメリット・デメリットが存在するので、大まかな特徴と共に押さえていきましょう。
5種類の雇用形態
- 正社員
- 契約社員
- パート・アルバイト
- 派遣社員
- 業務委託
正社員
原則として雇用期間に定めがない、長期雇用を前提とした雇用形態です。
会社とは対等な関係とされており、一方的な解雇などができないよう地位が保障されています。
ただし、会社が円滑に運営できるよう、指示があれば残業・休日出勤を行う必要があり、自分のための時間はあまり確保することができません。
契約社員
雇用期間に定めのある雇用形態で、企業と直接契約することで業務に従事しています。
人員不足の解消や専門知識・専門技術の吸収を目的に雇い入れるため、即戦力であることが求められます。
働く時間は基本的に正社員に準じていますが、契約内容によっては勤務時間を短く設定することも可能です。
福利厚生や社会保険も正社員と同様のものである場合がほとんどです。
パート・アルバイト
企業と直接契約することで業務に従事する雇用形態で、基本的に雇用期間に定めのあるものですが、特に設定されていない場合も多々あるのが特徴です。
短時間勤務や勤務日数を限定して働くことができるため、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働くことができます。
ただし、勤務日数や勤務時間によっては、福利厚生や社会保障の恩恵を受けることはできません。
派遣社員
派遣会社の社員となって派遣先に勤務する雇用形態です。
定められた短い期間だけ働き、契約終了後は別の派遣先に移って勤務します。
社会保険や福利厚生は派遣会社のものが適用となるため、パート・アルバイトなどよりも充実した待遇で働くことができます。
業務委託
個人事業主となって業務委託を受ける働き方です。
企業との契約によって勤務するため、働く時間や勤務日数などは、双方の合意によって取り決められます。
個人事業主であるため社会保障などが手薄になり、国民健康保険と国民年金への加入となります。
収入が多くなれば税金も累進課税で高くなってしまいますが、様々な経費計上ができるために節税もしやすくなります。
雇用形態と勤務体系を混同しないように注意
雇用形態と勤務体系は、似て非なる存在です。
雇用形態は契約社員扱いでも毎日出勤していれば常勤として扱うように、示している意味は全く関係のない事柄なのです。
たとえば病院の求人票には、正社員ではなく常勤・非常勤といった記載のされ方をしていることがよくあります。
ここで注意が必要なのは、常勤での勤務だからといって、雇用期間に定めのない正社員での就業とは限らない点です。
求人票を確認する時には、勤務体系のみを確認するのではなく、雇用期間の記載を必ず確認しましょう。
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労働基準法には、常勤と非常勤の違いを明確に定義されているわけではないので、大学病院では週5フルタイムでも非常勤と呼ぶ慣習があります。
あや
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きよみ
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雇用に制限なく働く「正社員」
正社員とは、企業と直接契約して雇用期間の定めがない雇用形態です。
原則としてフルタイムでの勤務となり、必要があれば残業・休日出勤などを行って円滑な業務の遂行に従事します。
会社とは対等な関係とされており、一方的な解雇ができないなど、手厚く保護されているのが特徴です。
継続して働くことで昇給・昇格に繋がる
雇用期間に定めのない契約である正社員では、長期間働いているほど給与や待遇が良くなっていきます。
昇進して役職を得られるのも正社員の特権であり、初めは給与が低くても、役職手当や昇給などで最終的には他の働き方よりも多くの給与を得ることが可能です。
最近では薬剤師の昇給に上限を設ける会社も多いため、昇進して役職につくことは、年収をアップさせるためにも必須事項となっています。
各種保険と福利厚生が充実している
正社員として働くことの最大の魅力は、福利厚生や各種保険への加入によって生活を保護された状態で働くことができる点です。
社会保険、厚生年金、雇用保険、住宅手当、産休育休、時短勤務など、現在の生活だけではなく、将来的にも安心して生活ができる環境が整えられているのです。
期間に定めがあり即戦力として働く「契約社員」
契約社員は、会社と直接契約して勤務する雇用形態です。
年間単位での契約となる例が多く、双方で合意すれば契約更新が行われます。
期間の定めはあるものの、行う業務は正社員と違いはなく、むしろ専門的な能力をスポットで得たい場合に活用される雇用形態となっています。
各種社会保険などにも加入することができるため、正社員に次いで安定した働き方です。
業務を一通りできる薬剤師が求められる
契約社員を求めている会社は、人員不足を早急に補填したい会社がほとんどです。
正社員のように時間をかけて教育し、一人前になってもらうような余裕は存在していません。
それゆえに、契約社員に求められることは、すぐに現場で活躍できる総合力なのです。
経験が浅く、知識も少ない薬剤師では、求められている条件に合うことができず、すぐに仕事がなくなってしまうことでしょう。
長期的な視点で考えると正社員と比べ給料に大きな差
契約社員は短期的な視点で給与を見ると、正社員よりも時給計算で優遇されていることも多くあります。
ただし、長期的な視点で考えた時には、その状況は逆転してしまうのです。
契約社員では、契約の見直しによる給与の改定が無ければ昇給されることはなく、ボーナスや手当などの恩恵も受けることができません。
調剤薬局の中には契約社員だとしてもボーナスを支給する会社はありますが、基本給の1〜1.5ヶ月分であること多く正社員とは2倍ほどの差になります。
同じ職場で継続して働くのなら、同じ期間働いている正社員との給与格差が生まれることでしょう。
短時間勤務でライフスタイルに合わせて働ける「パート・アルバイト」
パート・アルバイトは、会社と直接契約して勤務する雇用形態です。
雇用期間をあらかじめ定められて勤務することが多く、労働日数・労働時間共に正社員よりも短く設定されていることがほとんどです。
正社員よりも重要度の低い業務を任せられることが大半で、その分責任も軽い働き方だと言えるでしょう。
時給水準が高いので短時間勤務でも結構稼げる
薬剤師はもともと高時給の仕事である為、アルバイトとしても十分にお金を稼ぐことができます。
一般的に時給2000~2500円が薬剤師のアルバイト相場と言われており、薬剤師不足の地域などでは、時給3000円以上の求人も存在しています。
自分のライフスタイルに合わせて短時間の労働をしても、高い時給のおかげである程度まとまった金額を得ることができるのです。
長期間働いても昇給・昇格には繋がらない
パート・アルバイトとして働く場合、デメリットとなるのは昇給・昇格がないということです。
企業によっては定期的にアルバイト薬剤師の時給を改訂したり、アルバイトでも重要な業務を任せたりする場合がありますが、アルバイトの時給アップは企業側が任意に決定できるため、いつまでも同じ給与という事態も当然あります。
自分の生活を優先するスタンスの働き方であるため、いつ辞めるともしれないパート・アルバイトは、企業から見ても軽い扱いとなってしまうのです。
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派遣会社との直接雇用「派遣社員」
派遣社員は直接職場と契約するのではなく、派遣会社に所属する職員として現場に派遣される雇用形態です。
派遣先の労働条件に従うのではなく、派遣会社が取り決めた労働条件によって勤務します。
派遣会社の社員であるため、各種社会保険などに加入でき、福利厚生も優れているのが特徴です。
給与は時給換算でアルバイトや正社員よりも高く設定されていることが多いのですが、昇給・昇進はなく、将来的には逆転してしまう可能性が高い働き方です。
高い給与のまま、転職することなく広い地域で様々な職場を選ぶことができるのが魅力だといえるでしょう。
働く期間が調整でき契約以外の業務をする必要がない
派遣社員は働く期間を調節できるため、3か月・3か月・1年と、自分の都合によって派遣期間を設定することも可能です。
派遣社員に任せられる仕事は初めの契約によって定められており、たとえばシステムを構築するために派遣職員を雇う場合は、営業の仕事などをさせることはできません。
ただし、派遣薬剤師を雇用する場合は、「調剤業務」という名目で契約することになるため、どこまでを調剤業務とするのかは意見が分かれるところでしょう。
契約によって厳密に労働時間が定められているため、アルバイト・パートのように想定よりも長時間働かされたという事態は避けることができます。
紹介予定派遣なら働きながら勤務先を吟味できる
派遣の中でも紹介予定派遣とした場合には、派遣先にそのまま正社員として入職することができます。
噛み砕いて言ってしまえば、就職する前にお試し期間を持つことができるということです。
これは、企業側・労働者側の双方に言えることであり、派遣期間終了後に双方が合意した場合のみ、正社員登用という道が開かれます。
気に入らなければお断りして次の派遣先を探しても良いですし、気に入った職場があればそのまま就職しても良いという、非常に有益な制度なのです。
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事業主となって働く「業務委託」
通常の薬剤師としての業務を、業務委託という形で受託して働くことも可能です。
この方法はあまり一般的ではありませんので、依頼する会社との関係性や法律的な拘束、責任の所在など、完全に相互理解した上で行う必要があります。
業務委託を受ける場合、個人事業主となって働くことになる為、決算報告や税金管理など、すべて自分で行う必要があります。
手続きは非常に煩雑ですが、支払われる報酬から経費を差し引くこともでき、うまく活用できれば雇用契約で働くよりも手元に多くのお金を残すことも可能です。
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知らないと損をする労働者を守る労働法規
労働法規は、会社だけが知っていれば良いものではありません。
会社と従業員はあくまでも対等な関係であり、その関係を保証しているものが労働法規なのです。
そのすべてを完全に理解しろとは言いませんが、労働に関する法律の中でも、自分が関係している部分は最低限知っておきましょう。
そうすることで、労働条件などのおかしいことにおかしいと言えるようになるのです。
労働時間
- 1日8時間1週40時間
- 1日の労働時間が6時間を超えた場合、休憩時間を設ける
- 入職半年間が経過、出勤率が8割以上であれば10日間の有給取得
- 毎週1日の休日、4週間を通じて4日以上の休日
Check!
一部例外とより細かな説明が必要な箇所がありますが、詳細に関してはその法律が関わる記事にて説明しています。
まとめ:働き方はひとそれぞれ!自分に最適の働き方を見つけましょう
正社員として働いていることがステータスのように言われることもありますが、決してそんなことはありません。
拘束時間が長い正社員では実現できないような生活、家族との時間を大切にする生き方など、自分らしい生き方のために働き方を考えるのは当然のことなのです。
正社員にこだわらず、今回の記事を参考に自分に最適な働き方を模索してください。