過去には一つの会社に忠誠を誓うといったような働き方がもてはやされていましたが、時代はかわり、現代は自分の能力の及ぶ範囲で副業を行う人が増えてきています。
本業と掛け持ちをして働くことを副業、またはダブルワークと言いますが、それらは本当に問題のないものなのでしょうか?
今回は、副業・ダブルワークにおける税金や法律的な注意点についてまとました。
なお、インターネットで稼ぐ在宅勤務に関する記事は下記で詳しく紹介しています。
すき間時間で月5万稼ぐ!薬剤師の経験が活かせる在宅勤務9選とは?
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副業・ダブルワークをしようか考えている薬剤師の相談内容
薬剤師は資格職ですので、副業を行おうと考えればいくらでも探すことができます。
薬局のお手伝いをお願いされたり、夜間受付対応のバイトを紹介されたり、薬剤師免許を使わないとしても、働き先は無数に存在します。
ですが、本当に副業を行っても問題ないものなのか、悩んでしまいますね。
ここで、同じように悩んでいる薬剤師の相談内容をご紹介します。
友人の薬局で週1だけヘルプを検討
今働いている職場が気に入っているため転職するつもりはないのですが、友人から「週1でもいいからヘルプに来てほしい」とお願いされたんです。
まだ、どうするか返事はしてないのですが、たまにの週1だったらいいかなと考えているんですが、今働いている会社的には大丈夫か心配です。
シフト日数を減らされ、パート薬局の掛け持ちを検討
相談といっても月に7〜8日程度のシフトになりそうで、週3勤務の月15日程度のシフトが理想だったので週に1回程度でできる夜間専任のパートを探そうかどうするか悩んでいます。
薬局での終業後、夜にアルバイトを検討
勤務している薬局は、定時で上がれて完全週休2日制なので結構時間に余裕があって、空いている時間でちょっと稼げないかなと思っています。
でも、今働いている会社には絶対にばれたくないから、どうしようか考え中です。
副業を考える理由は人それぞれです。誰かから求められてのものだったり、金銭的にやむをえなかったり。
中にはただ時間が余って暇だからという理由だって存在します。
副業をするにあたってみんなが気になることは、法的に問題はないのか、本業の会社にばれてしまうのかどうかですよね。そこに重点を置いて解説していきます。
公務員薬剤師と管理薬剤師は副業が禁止(例外あり)
まずは法的な部分から行きましょう。
法的に副業を禁止されているのは、公務員薬剤師と管理薬剤師です。
公務員薬剤師は、地方公務員扱いか国家公務員扱いかによらず、副業は禁止されています。どちらの公務員だったとしても、公務員法によって定められているのです。
次に管理薬剤師ですが、管理薬剤師の副業を禁ずる法律は旧薬事法(現在は医薬品医療機器等法)7条3項にて定められています。
違反した場合、減給や解雇などの罰則はもちろん、最悪の場合店舗の営業停止措置を取られる可能性すらあります。
ただし、この副業とは、管理薬剤師が他の薬局において薬剤師として兼務することを指しており、薬剤師免許を使わない副業であるならば法的な規制はありません。
そのほか、管理薬剤師といえども、非常勤で学校薬剤師を行う場合や夜間緊急センターなどで勤務する場合、つまり社会奉仕の側面がある業務の場合ですが、特別に届け出をして許可を受ければ、兼務は可能になります。
一般の薬剤師には副業を規制する法的な項目はありませんが、正社員の場合、多くの調剤薬局・ドラッグストア・病院が就業規則において副業を禁止しています。
これも破ってしまった場合には懲戒解雇となってしまう危険性があるため、安易に副業を行ってはいけません。
自分の勤めている企業の就業規則を確認し、副業に関する記載がないかどうか、きちんとチェックしておきましょう。
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副業やダブルワークを会社に隠し通すことは不可能
一般的な薬剤師の場合では法的な規制がないのなら、会社にバレなかったら副業をしても大丈夫!と考えた方、ちょっと待ってください。
基本的に副業・ダブルワークを会社にバレずに続けることは、不可能なんです。
副業を隠す方法に関して、インターネットなどでは真偽の定かではない情報が飛び交っていますが、その真実についてお話します。
会社に副業・ダブルワークがバレる理由
伝えたわけでもないのに、なぜ勤務先にバレてしまうのか。
その答えは、勤務している会社に送られてくる個人ごとの住民税決定通知書です。
これに記載された「その他の所得」欄に、副業で稼いだ金額が明記されてくることから、実は副業をしていたということが発覚してしまうのです。
さらに、副業をしていて稼いだ所得については、その種類のところに「*」マークが入ってくるので、チェックをすり抜けるということはありえません。
この「*」マークの存在は、住民税の回収を確実に行うために用いられているシステムです。
日本の住民税は、個人ごとに稼いだ所得に応じて課税されていき、毎月の給与から天引き(特別徴収)という形で会社が納税してくれるシステムとなっています。
「*」マークを付けることにより、その作業が確実に間違いなく行われるようにされているのです。
バレないように回避する方法の大きな間違い
ネット上で調べると「収入が低ければ大丈夫」だとか「給与が手渡しだとバレない」などの情報がありますが、これらの情報はズバリ間違いです。
単純に副業の収入が低いという場合。所得税の計算上、副業の収入が年間20万円以下であれば確定申告は不要となり、報告していないんだからバレないだろうという理論展開ですね。
ですが、確定申告はあくまでも所得税の計算に必要なもので、住民税に関してはしっかり合算して計算するため、本業の会社に収入についての通知書が送られてしまうのです。
給与支払いをした事業者は国に報告を出しますので、それによって確実にバレてしまいます。
日本の住民税は、住んでいる地域によって多少のばらつきはありますが、年収100万円程度であれば非課税となります。
複数の収入がある場合には、それらを合わせた金額で計算する必要があるため、本業と副業が合算して100万円以下としなければいけません。
全部合わせて100万円以下となるならバレない可能性はありますが、普通に働いていて副業もしていては、年収100万円以下となることは稀ではないでしょうか。
給与が手渡しならバレという理論に関しては、どこから考え付いたのかさえ分からない理論です。たとえ手渡しだとしても、手渡しした側が給与として申告している限り納税義務は発生します。
会社からすれば給料というのは経費ですので、経費で申告しないことはおかしいですよね。
報告がされれば税金について計算され、本業の会社に住民税の支払い通知が届き、副業の存在がバレてしまいます。
むしろ事業者が給与の支払いを報告しないような副業は、違法性のある副業の危険性が高く、控えた方がいいのではないでしょうか。
また、下記方法で回避することは可能ですが、現実的には不可能です。
- 住民税を特別徴収ではなく、自分で収める普通徴収にする。
- 副業を給与所得以外で行う、雑所得にする。(薬剤師の場合、講演料や講師料が該当します)
企業に務めている人に関しては、企業が責任を持って税金を集め、まとめて支払うという特別徴収が義務となっています。
あえて普通徴収を選択するのは現実的ではありませんし、できたとしてもなにか後ろめたいことがあるのではないかと調査されることになってしまうでしょう。
給与支払いでなければ、確定申告によって自身で報告を出し、その際の徴収方法に普通徴収を選択すれば会社にバレないかもしれませんが、給与支払いとならない副業を行うというのは、ごく限られた人にしかできないことです。
副業がOKな職場かNGの職場かに関わらず、副業・ダブルワークでお金を稼いだ場合、会社はその事実を知っているということを理解しておきましょう。
補足
副業で稼いだ金額を確定申告後に市役所で「副業で稼いだ金額だけ普通徴収にしてほしい」と言えば対応してくれる場合があります。
しかし、自治体によって不可能だったりするので現実的ではありません。
基本的に一つの企業で特別徴収を行っている場合、その他の給与所得を普通徴収に選択することはできないと考えた方がいいでしょう。
どうしても気になる場合には、納税先の市町村役場に直接確認してください。
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収入を上げるなら1つの職場で働く方が効率的
賃金を稼ぐ目的で副業・ダブルワークを行うというのは、あまり現実的ではないことが伝わりましたでしょうか?
副業はほとんどの企業で禁止されていますし、それを無視して副業を行っては、収入が発生した段階で企業に伝わってしまい、本業を失ってしまうなんてことも考えられます。
現実的に、堅実に稼いでいくのなら、一つの職場で給料・年収アップを狙っていった方が効率的なんです。
ですが、そんなに簡単に年収が上がるわけでもありませんし、いずれ昇給するのが待てないから副業を考えているというのが実際のところですよね。
手っ取り早く年収アップを狙うのなら、転職をするというのも一つの手段なんですよ。
収入をアップするための手段として転職することは、非常に一般的なことになりました。
特に薬剤師の場合、勤務するエリアや職種を変えることで今より50万、60万円と給料をあげることは可能なのです。
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ですが、どうやれば今の職場よりも条件の良い求人を見つけることができるのか、普段の業務をこなしながら探し出すのは非常に難しいものです。
そんな時に活用していただきたいのが、転職サイト。
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まとめ:薬剤師の副業は現実的に困難、隠し通すのは不可能なんです…。
薬剤師が副業を行うことは、各企業の就業規則で厳重に規制されていることがほとんどです。
法律的な規制ではなくとも、ばれてしまえば減給や解雇などのペナルティを課せられてしまうかもしれません。
ばれないようにこっそりと、そうやって健気に努力したとしても、税金の支払いなどで会社側には筒抜けとなっています。
どうしても副業を行いたいのなら、会社側にしっかりと話をして了承を得ることを強くお勧めします。間違っても、自分だけは大丈夫なんて考えはしないようにしてください。
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