薬剤師の定年はあってないようなもので、企業としての定年制度はありますが、薬剤師免許を自主的に返納しない限りは生涯現役でいられる職業です。
年金の受給年齢も徐々に引き上げられている時代ですので、気力と体力が続く間は働き続けようと考えている人が増加していますが、定年になった後に働き続けるためにはどうすれば良いのでしょうか?
今回は、薬剤師が生涯現役で働くための情報をまとめました。
きよみ
モンブラン
あや
モンブラン
きよみ
モンブラン
60歳以上でも可能な求人なら!転職サイトランキング | ||
---|---|---|
マイナビ薬剤師 |
じっくり重視 サポートが充実 ミスマッチが少ない |
|
薬キャリエージェント |
スピード重視 優良な病院求人 細かなニーズにも対応 |
|
ファルマスタッフ |
派遣重視 研修制度が充実 社会保証完備 |
調剤薬局・ドラッグストア・病院で働く薬剤師の定年制度とは?
企業に勤めていれば、ある年齢になったときに定年退職することになります。
実はこの定年制度、労働基準法で定められているものではありません。
企業ごとに就業規則で定められているのみで、企業によって定年制度を用意するかどうかも含めて、定年となる年齢や制度の内容などにばらつきがあるものなのです。
厚生労働省が発表しているデータによれば、定年制度を用意している企業は73.5%で、定年年齢を60歳としている企業はそのなかでも82%となっています。
ここで、薬剤師の就職先である調剤薬局やドラッグストア、病院の定年制度について見ていきましょう。
調剤薬局の定年制度
調剤薬局での定年制度は、経営母体によってまちまちです。
ある程度の規模で展開している調剤薬局チェーンでは60歳での定年としていることもありますが、小規模の薬局では薬剤師不足という状況もあって、65歳以上の高齢での定年や、定年年齢を定めていない例も存在します。
薬剤師不足解消のため、定年退職後も同じ調剤薬局で勤務するという嘱託社員という制度を設けている薬局も多くあります。
大手調剤薬局の定年制度
会社 | 定年 | 再雇用 |
---|---|---|
アイン薬局 | 60歳 | 最長で65歳 |
日本調剤 | 60歳 | 最長で65歳 |
そうごう薬局 | 60歳 | 最長で65歳 |
なの花薬局 | 60歳 | 最長で65歳 |
クオール薬局 | 60歳 | 最長で65歳 |
ドラッグストアの定年制度
マツモトキヨシやウエルシアなどの大手ドラッグストアチェーンでは、定年退職は60歳とされています。
ドラッグストアでは薬剤師だけではなく登録販売者やビューティーアドバイザーなどさまざまな人が働いていますので、定年退職とする年齢も通常の企業に準じていることが多くなっているのです。
ただし、薬剤師の場合には嘱託社員として継続して働けるように取り計らわれていることが多く、定年年齢で即退職とならない例が大半です。
大手ドラッグストアの定年制度
会社 | 定年 | 再雇用 |
---|---|---|
ウエルシア | 60歳 | 最長で65歳 |
マツモトキヨシ | 60歳 | 最長で65歳 |
ツルハ | 60歳 | 最長で65歳 |
病院・クリニックの定年制度
病院・クリニックの定年制度は、その経営母体によってまちまちです。
大病院となっていれば様々な職種の人が働いていますので、定年退職は一般的な60歳~65歳に定められています。
経営規模が小さな個人病院の場合でも同様ですが、就業規則で厳密に定められていないこともあるため、各々確認が必要です。
定年退職は労働基準法で定められているものではありませんので、就業規則で確認することが必要です。
ただし、平成25年度に施行された高齢者雇用安定法によって、60歳以下で定年退職とすることが違法とされました。
しかもこの法律では、65歳まで働けるような体制作りを義務化させる法案が組み込まれており、60歳で定年退職とした場合には、再雇用する制度を用意することが必要となったのです。
再雇用社員・嘱託社員とは?
再雇用社員・嘱託社員には、明確な定義があるわけではなく一般的に「定年を超えた有期雇用の従業員」を指します。
契約期間も1年であることが多いので、大きな分類で言うと契約社員と同様です。
定年後に再雇用社員・嘱託社員として新たに労働契約を結ぶことになるのですが、勤務日数や勤務時間が今までより減ることが多いので、必然的にもらえる給料も低くなります。
再雇用社員・嘱託社員の年収相場とは?
年収:360〜430万
定年前にもらっていた年収の2〜3割減になることが多いです。
高齢者雇用安定法によって正社員との格差を作ってはいけないとされていますが、そもそもの労働契約が異なるので年収が下がることが一般的です。
定年後も働き続けるために!薬剤師が再就職先を探す方法
定年退職したとしても、働き続けることは可能です。
高齢者雇用安定法によって高齢者の就労を支援するための法整備が行われたことも後押しとなっていますが、だからといって再就職先を探すのは一筋縄ではいかないものです。
定年後も働くため、再就職先を探す方法をピックアップしました。
定年後の再就職先を探す方法
- 再雇用制度を利用する
- 知人薬剤師の紹介
- 転職サイトを活用する
はっきり言って、定年退職した後に転職をすることは難易度が高い選択です。
たとえ業界が同じだとしても、会社が変われば常識が変わり、今まで通用していたノウハウが役に立たなくなってしまう危険性があるからです。
不可能ではありませんが、定年後に新たな業務を覚え、適応していくことを考えれば、難しいと言わざるを得ないのです。
最も簡単に定年後も働き続けていきたいのなら、もともと働いていた企業での再雇用制度を利用することだといえるでしょう。
今までの環境やノウハウをそのままに、自分の能力を企業に提供できるというのは他の選択肢にはない利点です。
定年してから転職するのは絶対に無理かといえば、そんなこともないのが薬剤師という資格の強い部分。
転職サイトを調べてみれば、60歳以上でも歓迎という企業はたくさん見つけることができます。
60歳以上で新たな職場を経験するのは大変なことですが、自分の利点を活用できるような転職先が、その中から発見できるかもしれません。
新たな可能性を模索してみるのも良いのではないでしょうか。
モンブラン
きよみ
モンブラン
あや
モンブラン
あや
モンブラン
定年後の再就職は柔軟な対応力と素直さが大切
60歳以上でも歓迎という求人からお話しを聞いてみたところ、中途採用する際に重要なのは、知識でも経験でもなく、素直な性格と柔軟な対応力という答えが返ってきました。
定年退職となった薬剤師は、経験と知識は十分に持っている分、自分のやり方に固執する傾向にあり、それゆえに職場内での軋轢を生み出す種になりやすいことが背景にあるようです。
再就職した就業先では「この職場では1年目」という気持ちが大切となります。
今までの経験や知識を活かしたい気持ちもわかりますが、まずはご自分の考えを押し付けることなく協調していくことが大切となるのです。
定年後の転職ということは、そこの上司となる人は自分よりも年下で、経験不足に見えるかもしれません。
ですが、その職場におけるノウハウは、転職してきた自分自身よりも明らかに保持しているのです。
若者を育ててあげたいという気持ちはまずは抑え、その職場のやり方に慣れて戦力として働けるようになることを最優先に考えていきましょう。
患者の多くは高齢者、年代が近い薬剤師だからこそできる役割とは?
定年後に再就職する理由は、経済的な補完という側面の他にも、医療を通して社会貢献したいというものが挙げられてきます。
社会と何らかの形でかかわりたい、社会貢献がしたいという気持ちをもった薬剤師が多いものなのです。
実は、定年退職後の薬剤師だからこそできる、患者ケアが存在します。
医療を必要とする人はどの世代にもいますが、やはり患者の多くは高齢者です。
定年退職した後で働くということは、より患者に近い年齢の立場から、患者に寄り添った医療を提供できるということにつながります。
どんなに優しくて親身になってくれる薬剤師だとしても、若いというだけでなんとなく話しづらい相談はあるものなのです。
そういった部分を補完できるようになれば、定年退職後に転職したとしても、求められる存在となれることでしょう。
きよみ
モンブラン
あや
モンブラン
あや
まとめ:定年退職は次のスタートライン!どんな生き方をするかは自分次第!
一つの会社で定年まで勤め上げ、退職金を貰って悠々自適に暮らす。そんな時代はすでに過ぎ去ってしまいました。
年金の給付額は減らされ、受給年齢は引き上げられ、日々の生活さえ難しいと感じる人もいるのが現実です。
定年をゴールラインと考えるのも良いですが、そこを新たなスタートラインと思い直し、自分に適した働き方、人生の楽しみ方を模索してみるのもいいのではないでしょうか?