薬剤師が働く場所は、病院や薬局などの医療現場だけではありません。
次世代を担う若者を指導することもまた、薬剤師としての重要な責務といえるでしょう。
薬学生を病院や薬局に受け入れて指導する、認定実務実習指導薬剤師が存在していることもご存知のことと思いますが、いっそのこと、もっと大勢の生徒に講義してみたいとは思いませんか?
今回は、薬剤師が講師として働くためのステップや仕事内容、年収について紹介します。
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薬剤師が講師として働くための職場は主に2つ
薬剤師が講師として働く場所は限られています。
次期薬剤師を育てる薬剤師国家試験対策予備校と次期美容師を育てる美容師専門学校です。
薬剤師国家試験対策予備校では、当然薬剤師としての経験をもとに、国家試験対策を行います。
美容師専門学校では、衛生管理や皮膚科学を中心に美容保健などを指導していきます。
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国家試験対策予備校での主な仕事内容
予備校での仕事内容
- 担当教科の講義
- 生徒のケア
- 教材や模試の作成
薬剤師国家試験対策予備校での業務は、担当教科の講義が中心になります。
対象となる生徒は国家試験に落ちてしまった浪人生だけでなく、大学に出張して現役の薬学生に対しても講義を行うこともあります。
難解な薬学に関する知識を、わかりやすく解説するプレゼンテーション能力は必須です。
国家試験に向けてナーバスになりやすい生徒のメンタル面のケアも重要な仕事の一つであり、成績管理や授業の進行などの管理能力は当然のことながら、接しやすく話やすい雰囲気作りを心がけなければいけません。
国家試験対策の模試や教材の作成も講師が担っていることが多く、講義を行っている以外の時間でも様々な仕事をこなす必要があります。
美容師専門学校での主な仕事内容
美容学校での仕事内容
- 学科:衛生管理・保健科学・物理化学の指導
- 生徒のケア
- 成績管理や教材の作成
美容師専門学校では、学科と実技の両方が指導されています。
さすがに美容技術の実技指導は専門の美容師さんにお任せし、 薬剤師が関わるのは学科に関してとなります。
美容師専門学校での学科は関係法規、衛生管理、美容保健、物理化学、美容理論と5つの科目で構成されています。
美容師であれば所定の研修を受けることで、これらの科目を指導することが可能になりますが、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師、看護師は特に条件なく、一定の科目を指導することができるのです。
特に薬剤師は指導できる科目が一番多く、この中で指導できる科目は衛生管理、美容保健、物理化学の3科目です。
いかにわかりやすく説明するか、プレゼンテーション能力が必要な仕事が中心となります。
教員であるため、生徒の成績管理や授業計画などのバランスを取りながら進めていく必要があり、生徒のメンタルケアも必要となる為、コミュニケーション能力も必要となるでしょう。
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講師はプレゼン力以外に精神面をケアするサポート力も必要!
さらにそれだけではなく、薬剤師でも美容師でも、国家試験を前にナーバスになりやすい精神面のケアも必要となってきます。
ただでさえ、毎日国家試験対策の勉強をする必要があるのに、就職活動も並行して進めていかなければならないので、精神的に追い詰められやすい環境です。
特に一度国家試験に落ちている予備校生の場合、うつ病になるまで悩んでしまう生徒も存在しています。
ただ優しくすれば良いわけではなく、時には厳しく接するというように緩急をもってモチベーションを維持できるように促し、メンタルも含めて包括的なケアをしていくことが求められているのです。
講師の年収は430〜500万程度のため薬剤師の平均年収より低い
講師の年収・給料・賞与
- 年収:430〜500万円
- 給料:28〜32万円
- 賞与:3ヶ月分
講師の年収は、総じて薬剤師の平均年収より低い430〜500万円になります。
薬剤師として働いていたときと比べて年収50万以上は下がる可能性があるため、年収よりやりがいを求める人でないとストレスを感じてしまうでしょう。
ただし、予備校の人気講師となれば年収500万円以上は目指せる金額になるため、最終的に薬剤師として働くより多くの年収を稼ぐことができます。
美容専門学校は、年収500万円にも届かないケースが大半です。また、夜間コースのある美容専門学校では、19時以降も勤務しないといけないため、予備校と比べると魅力は薄く感じてしまいます。
薬剤師が講師として働く3つのメリットとデメリット
講師とは生徒の未来を左右する重要な仕事です。
大変な業務ですが、やりがいもあって得るものも多いのが特徴といえるでしょう。
講師として働いていく上での、メリットとデメリットを確認しておきます。
薬剤師が講師として働くメリット
メリット
- 仕事の成果が生徒の成績や反応からわかりやすい
- 企業としての年齢構成が比較的若いため、明るく自由な雰囲気がある
- 実力・実績があれば高収入が期待できる
学生時代ではテストや授業態度が点数化され、嫌でも数字で自分の成果を見ていましたが、社会に出て薬剤師となればそうもいきません。
自分の行った仕事がどのように効果を発揮しているのかも漠然としている状況が大半です。
ですが講師であれば、仕事の成果は生徒の点数や態度によってすぐに還元を受けることができます。
これは仕事を続ける上での高いモチベーション維持につながり、やりがいを得ることにつながります。
若い世代と密に関わりながら行う仕事ですので、明るく自由な雰囲気があり、講師もそれに準じて若々しくあることができます。
予備校講師であれば授業内容や模試の結果など、実力・実績が生まれることで需要が高まり、普通の薬剤師では得られないような収入が得られることもあるのです。
薬剤師が講師として働くデメリット
デメリット
- 薬剤師としての技術力が劣ってしまう(最新の医療知識に乏しくなる)
- 結果を出さなければ仕事が維持できない可能性もある
- 国家試験対策の勉強を欠かさず続けなければいけない
すでに確立されている学問を指導していく立場ですので、どうしても医療現場からは疎遠になってしまいます。
最新の治療なども多少は学ぶ機会は存在しますが、講師としてはそこに重点を置く必要はなく、試験で頻出する分野に時間を割くのが通常です。
そのため、医療業界への転職を考える際にブランクとなってしまいます。
講師は非常勤や契約社員とする企業も多く、結果を出さなければ契約を更新してもらえないという例も存在しています。
良くも悪くも結果次第の世界なのです。
毎年やってくる薬剤師国家試験や美容師国家試験への対策も重要な業務となり、毎年の傾向と対策に対する微修正を適時行っていく必要があり、特に直前の対策期間は多忙を極めるでしょう。
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薬剤師が講師になるためには?未経験でも大丈夫?
国家試験予備校・美容専門学校は、教える科目や求められる役割が異なるため講師デビューまでには違いがあります。
また、講師として転職する薬剤師の多くが、「伝える仕事」未経験での中途採用者になります。
国家試験予備校の場合
美容専門学校の場合
国家試験予備校と美容専門学校だと生徒年齢が4〜5歳異なるので、授業の雰囲気と目的意識の高さは異なります。
国家試験予備校だと「薬剤師になる」という明確な目標がありますが、美容専門学校だと高校を卒業して「なんとなく」入った学生も少なからずいるので、講義を聞く態度や姿勢がだらしないこともあります。
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大手の国家試験予備校と美容専門学校
大手薬剤師国家試験予備校
- 業界1位:薬学ゼミナール(薬科大学で講義も行う業界最大手)
- 業界2位:メディセレ(講師陣のレベルが均一的に高い業界2位)
- 業界3位:REC(既卒生の合格率が業界1位)
- 業界4位:ファーマプロダクト(個性的な講師陣が魅力の会社)
大手美容専門学校
これから講師として働くために転職するなら、上記で紹介した予備校と専門学校はチェックしておきましょう。
ただし、どの企業も募集要項の情報量が十分でないため、転職で失敗しないためにも転職エージェントの利用は必須になります。
講師として働く薬剤師のインタビュー
調剤勤務から予備校講師へキャリアチェンジ
その時から教えることの楽しさとやりがいを感じていたのですが、大学卒業後は、薬局に勤務するのが当たり前だと思っていましたし、周りもそうしていたので正直何も考えず中規模薬局グループに就職しました。
薬局に勤務して4年目に自分のキャリアについて考えた時、薬局での勤務が自分に合っていないのではないかと悩み始めて、色々考えた結果、大学時代にやっていた塾講師が楽しかったなと思ったんです。教えることの楽しさに気づいたような。
薬局のキャリアもまあまああるし、転職してやっぱり違うなと思ってもまた戻ってくれると思い、早速転職活動を始めました。
ただ、予備校講師の求人はなかなか出ないので、転職するまでに時間がかかりましたが、転職サイトを活用して念願叶って講師として転職することができました。
入社してすぐは、ビジネススキルやプレゼン、先輩講師に倣って講義の練習をしました。今では1日5コマ70分の授業を行えるようになったのでとてもやりがいを感じています。
私自身も国家試験勉強をしている時は辛かったのをよく理解しているので、知識だけでなく生徒の心の支えになれればいいなと日々切磋琢磨しています。
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まとめ:医療者としての薬剤師ではなく、未来を創る薬剤師と言う選択肢
薬剤師免許を取得してからの進路としては特殊な分類に入る講師としての仕事ですが、やりがいもあって大変興味深い仕事であると言えます。
人とのコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力が求められる難しい仕事ですが、良くも悪くも結果ありきの仕事で、実績によっては年収も跳ね上がります。
能力に自信があるのなら、未来を作り出す仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
講師求人を多く扱う転職エージェントとは?
通常の求人では薬剤師向けの講師の仕事は出回っていません。もしあったとしても非公開求人とされており、見つけ出すのは不可能に近いといえるでしょう。
すでに薬剤師講師を確保している企業では再募集を掛けることも少なく、求人の絶対数自体が少ないのも原因となります。
薬剤師の講師への転職も、やはり転職エージェントの活用が一番の近道といえます。
有名どころの転職エージェントですと、マイナビ薬剤師・リクナビ薬剤師・薬キャリエージェントがありますが、中でもマイナビ薬剤師は扱う講師求人数が多く、職場の雰囲気や実際に働いている薬剤師の評判など、内部情報も情報共有してくれるため、失敗のない転職をすることができます。
上記で紹介した大手3社の求人10万件のうち、公開されている講師求人は立ったの3件でした。
基本的に非公開での募集になるため、たとえ今すぐに転職するつもりがなくても、普段から転職サイトはマメにチェックし、希望通りの求人が出たらすぐに対応できるようにしておく事が転職を成功させるコツです。
名前や連絡先などの必要事項を記入したら登録完了です。登録後は、担当コンサルタントから電話で連絡がきますのでご自身の希望条件や情報収集したい事を伝えてみましょう。心強いサポートをしてくれますよ。