認定薬剤師と専門薬剤師の種類一覧と取得方法とは?34団体53種を紹介

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薬剤師には、日ごろの学習の成果を形として残すことができる、各種認定制度が存在しています。

かかりつけ薬剤師算定のための必要条件となった最近では、様々な団体が様々な認定資格を交付しており、その取得方法も独自のルールに基づいて行われています。

今回は、数多くある認定薬剤師・専門薬剤師の一覧と取得方法について解説いたします。

あや

きよみ先輩は認定薬剤師の資格、持ってますか?

きよみ

私ね、全然意味なかったから止めちゃったのよね。そしたらかかりつけ薬剤師で必要ってなったじゃない?慌てて単位を集めているところなの。

モンブラン

昔は本当に意味がないものでしたからね。では、研修薬剤師認定センターの認定薬剤師を目指しているんですね。

あや

え?研修センター以外でも認定薬剤師の申請ができるんですか?

モンブラン

もちろんです。かかりつけ薬剤師に必要な研修認定薬剤師の認定を貰える団体は20種類以上ありますし、さまざまな認定薬剤師制度は、50種類以上にも及びます。

きよみ

そんなにあるの?病院薬剤師会と研修センターの二つしか知らなかったわ。

モンブラン

最近どんどん学会が増えて、乱立状態なんですよ。

34団体53種類!薬剤師関連学会別の認定制度一覧

認定・専門薬剤師01

薬剤師関連団体認定薬剤師専門薬剤師
日本薬剤師研修センター☆研修認定薬剤師
漢方薬・生薬認定薬剤師
小児薬物療法認定薬剤師
認定実務実習指導薬剤師
日本病院薬剤師会☆日病薬病院薬学認定薬剤師制度
がん薬物療法認定薬剤師
感染制御認定薬剤師感染制御専門薬剤師
精神科薬物療法認定薬剤師精神科専門薬剤師
妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師妊婦・授乳婦専門薬剤師
HIV感染症薬物療法認定薬剤師HIV感染症専門薬剤師
日疾薬病院薬学認定薬剤師
日本医療薬学会認定薬剤師がん専門薬剤師
薬物療法専門薬剤師
日本臨床腫瘍薬学会外来がん治療認定薬剤師
日本緩和医療薬学会緩和薬物療法認定薬剤師
日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師
日本結核病学会抗酸菌症エキスパート
日本腎臓病薬物療法学会腎臓病薬物療法認定薬剤師腎臓病薬物療法専門薬剤師
日本リウマチ財団リウマチ財団登録薬剤師
日本褥瘡学会認定師
日本静脈経腸栄養学会栄養サポートチーム専門療法士
日本臨床救急医学会救急認定薬剤師
日本プライマリ・ケア連合学会☆プライマリ・ケア認定薬剤師
日本禁煙学会認定指導者
日本在宅薬学会☆在宅療養支援認定薬剤師
日本医薬品情報学会医薬品情報専門薬剤師
日本臨床薬理学会認定薬剤師
認定CRC
糖尿病療養指導士認定機構糖尿病指導士
日本アンチドーピング機構スポーツファーマシスト
日本医療情報学会医療情報技師
日本薬局学会認知症研修認定薬剤師
日本医薬品安全性学会認定医薬品安全指導者医薬品安全専門薬剤師
日本集団災害医学会認知医療認定薬剤師
日本くすりと糖尿病学会糖尿病薬物療法認定薬剤師
薬局共創未来人材育成機構☆研修認定薬剤師
高齢者薬物治療認定薬剤師
日本老年薬学会老年薬学認定薬剤師
日本麻酔科学会周術期管理チーム認定薬剤師
日本臨床栄養協会サプリメントアドバイザー
日本女性薬剤師会☆研修認定薬剤師

☆:薬剤師認定制度認証機構が認証の認定制度、詳細はこちら

薬剤師が所属できる学術団体は数多くあります。

その中でも認定薬剤師や専門薬剤師の資格を提供している団体は34団体あり、それぞれの特色を生かした認定制度を用意しています。

取得方法も団体によって様々で、実務経験の条件があるものや、医師監修のもとで実務実習が課せられるものなどの、高い難易度のものもあれば、ただ学会に所属するだけで得られる簡単な認定制度も存在しています。

認定薬剤師の基本的な取得方法とは?

認定制度はそれぞれに条件が異なっており、目標とする認定制度に合わせて取得のための活動を行う必要があります。

ただし、基本的な認定制度の概要として、認定取得のために学会への参加申し込みを行い、必要とされる研修単位を集めて、認定資格を申請するという流れが存在しますので、基本的な取得方法について確認しておきましょう。

申し込み・会員になる

それぞれの認定資格を得るためには、その認定資格を提供している学会の会員となる必要があります。

会員でなければどれだけ頑張っても認定資格を得られませんので、まずは取得予定の認定資格を提供している学会に所属申し込みを行いましょう。

その後、必要とされる単位などの取得を終えてから認定申請書と必要書類を用意し、手数料と共に申し込みをすれば、認定薬剤師となることができます。

単位を取得する

目標としている認定資格を得るため、必要とされる単位を取得する必要があります。

どんな研修会でも単位が発行されるわけではなく、それぞれの学会が認められているものでなければいけません。

数日間にわたって拘束されるワークショップ形式の研修会が必要であったり、逆に自宅にいながらインターネットでの講習を受けるだけで単位を得られるものであったり、その種類は様々存在しています。

単位取得のための研修会などは、参加費用を徴収されるものが多く、ほぼ毎回数千円の参加費用を用意しなければいけません

費用・更新

認定資格を得るためには、申請に伴って取得費用がかかることがほとんどです。

認定手数料を振り込まなければ、どれだけ単位などの条件を満たしていても意味がありません。

さらに認定資格は数年ごとに更新する必要があり、更新時には再度単位を取得して更新申請する必要があります。

更新時にも、当然更新手数料の振り込みが必須です。金額は認定資格によって違い、試験費用などを合わせて数万円の支払いが必要になることも多くあります。

かかりつけ薬剤師になるための認定制度とは?

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平成28年からスタートした「かかりつけ薬剤師」制度ですが、かかりつけ薬剤師になる為の条件の一つとして、認証機関に認められた研修認定を取得していることが記載されています。

正確には「薬剤師認定制度認証機構が認定している研修認定制度等を取得していること」が条件ですが、認証機構に認定されていない日本医療薬学会の認定資格だとしても、かかりつけ薬剤師として申請することは可能です。

その根拠となるものとしては、診療報酬の疑義解釈資料において言及されています。

ただし、確実にかかりつけ薬剤師として認可を受けるためには、やはり認証機関に認証された研修認定を用いる方が良いでしょう。

2018年現在では27機関が認証機関に認められており、その研修単位は原則として認証された制度間で共通に有効です。

どの団体でも申請できるものですが、一部の研修制度では、独自単位の取得を条件としている場合もあるため、申請の際には注意して下さい。

あや

認定薬剤師ならどれでもかかりつけ薬剤師になれるのかと思ってましたけど、違うんですね。

モンブラン

認証機関に認められてなくても申請すれば通る可能性はありますが、確実ではないのでオススメできませんね。かかりつけ薬剤師を目指すのなら、やっぱり正規のルートを通るべきでしょう。

きよみ

かかりつけ薬剤師になるなら、結局どこで申請すればいいわけ?いちいち面倒くさいんだけど、もっとわかりやすくできないのかしら。

モンブラン

現在の乱立状態は、業界としても好ましい状態ではありません。今後は淘汰される部分も出てくると予想されますよ。とりあえずかかりつけ薬剤師を目指すのなら、もっとも一般的な「日本薬剤師研修センター」が間違いないですね。

医療法で唯一広告できる「がん専門薬剤師」

認定・専門薬剤師03

薬剤師には様々な認定薬剤師・専門薬剤師が存在しますが、それらのほぼすべてが、広告で標榜することを許されていません。

医療に関わる広告は、政府が発行する医療広告ガイドラインに基づいて行われており、その基になるのは医療法です。

このガイドラインでは、医師や歯科医師、看護師の保有する資格を広告として用いる可否について述べられており、薬剤師では日本医療薬学会が発行しているがん専門薬剤師のみが、広告することを許されています。

そもそもがん専門薬剤師は、2006年に日本病院薬剤師会ががん専門薬剤師制度を創設し2009年5月日本医療薬学会に移管しました。

がん専門薬剤師は他の学会でも認定されることはできますが、日本医療薬学会以外の団体が発行したがん専門薬剤師は広告できないため、注意してください。

広告をする際には「一般社団法人 日本医療薬学会認定 がん専門薬剤師 氏名」という形式で行わなければならず、このほかの表記は虚偽広告や誇大広告とみなされてしまいます。

がん専門薬剤師の取得方法

  • 薬剤師としての実務歴が5年以上
  • 日本医療薬学会会員であること
  • 日本医療薬学会認定薬剤師,日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師,薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師あるいは日本臨床薬理学会認定薬剤師であること
  • 本学会が認定するがん専門薬剤師研修施設において,本学会の定めた研修カリキュラムに従って,がん薬物療法に関する5年以上の研修歴を有すること
  • 認定対象となる講習を受講しており、所定単位以上の履修をしていること
  • がん患者への薬剤管理指導の実績50症例(3臓器・領域以上のがん種)を提出すること

費用

  • 認定審査料:1万円・認定試験受験料1万円・認定料2万円

更新

  • 認証から5年間、患者への薬学的介入実績50症例

モンブラン

医師や歯科医師、看護師では、たくさんの認定資格を広告として利用することが認められていますが、薬剤師ではがん専門薬剤師のみが認められています。

あや

え~、看護師でもたくさんあるのに、薬剤師が一つだけっての、ちょっと納得できないんですけど。

きよみ

まぁ、より臨床に近い方が認められやすいってのもあるんじゃない?調剤薬局は医療提供施設って認められたけど、小売業的な部分もあるし。

モンブラン

現在は薬剤師認定制度の質もピンキリですから、そういった部分も影響しているかもしれませんね。

薬剤師05 質が担保されないまま乱立する薬剤師の認定制度!本当に必要なの?

まとめ:認定資格は必要なものをピンポイントに!かかりつけ薬剤師にも研修認定が必要です!

薬剤師の認定資格は50資格以上あり、それぞれに特徴を持っています。

難易度にも大きく違いがあり、すぐに取得できるものもあれば、数年をかけて条件をクリアしなければ取得できないものもあります。

時間的にも金銭的にもコストがかかってしまうものですので、自分の目的に合ったものを選んでいかなければいけません。

かかりつけ薬剤師を目指すのなら、認証機関に認められた研修制度を活用しなければいけませんし、広告塔として活用したいのなら、がん専門薬剤師を目指していくことが必要になります。

しっかりと目的意識を持って資格取得に動きだしましょう。