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薬剤師なら知っておくべき調剤報酬改定!2010〜2018年履歴まとめ

調剤報酬改定履歴のまとめ

調剤報酬は二年ごとに改定が行われ、その都度調剤薬局の業務は、改訂された調剤報酬に合わせて変化せざるを得ません。

一度の改訂で大きな変化が起きることは稀ですが、10年も経過すれば調剤報酬改定は5回を数え、当初の業務とはまったく異なるものとなっているのです。

2020年の調剤報酬改定が来る前に、今までの調剤報酬改定の内容を見直し、今後の調剤報酬改定の方針についても理解しておきましょう。

あや

調剤報酬改定があると算定要件を覚え直さないといけなくて、ほんとにこの仕事って落ち着かないですよね。

きよみ

仕方ないわよ。その時代によって医療制度を改革していかなきゃ、破たんする未来しかないんだもの。

あや

時代や状況に合わせて、調剤報酬も変わってるんですね。ということは、調剤報酬改定の内容を見ていけば、政府は今後どんな方向に持っていきたいのかがわかるってことですか?

きよみ

その通りよ。いままでの調剤報酬改定について、ちょっと確認していきましょうか。

調剤報酬は保険調剤薬局と政府の支払い契約

調剤薬局において薬剤師が職能を発揮したことに対し、それぞれを点数化して定めたものが調剤報酬ですが、これは調剤薬局に支払いをするためだけに作られたわけではありません。

国の方針を現場に浸透させ、将来に向けて理想を実現するために活用されているのです。

そのため、医療機関の場合には普通の業種とは異なり、患者と政府が負担割合に応じて分担して対価を支払うことになります。

つまりは調剤報酬とは、政府と調剤薬局における支払いのための契約ということなのです。

調剤報酬では算定する項目が大きく4つに分かれています。

調剤報酬の分類

  1. 調剤技術料
  2. 薬学管理料
  3. 薬剤料
  4. 特定保健医療材料料

調剤報酬のなかでも、薬局として利益が大きい部分は調剤技術料薬学管理料です。

逆に、利益が少ない部分が薬剤料と特定保健医療材料料となっています。

調剤技術料と薬学管理料では仕入れなどによる原価が掛かっていない為、その大部分を純粋な利益とすることができ、薬剤料と特定保健医療材料料では、その大部分が仕入れの費用となるため、純粋な利益とはなりません。

過去には薬価差益などと騒がれていましたが、現状ではジェネリック医薬品の台頭と薬価の引き下げによって、薬価差益は極めて少なくなっているのです。

つまりは、今後の調剤薬局が生き残っていくためには、調剤技術料と薬学管理料に分類される報酬を、いかに多く算定するかにかかっているといえるでしょう。

調剤報酬の検討と決定の方法とは?

調剤報酬改定では、予算案を基に実際の改定率を定めるのは内閣です。

また、その基本方針を決定するのは、厚生労働省の社会保障審議会です。

ただし、ここでは調剤報酬や診療報酬の内容について深く触れられることは稀で、多くが医療保険制度全体からの見通しに終始しています。

調剤報酬の詳細については中央社会保険医療協議会において検討されています。

調剤報酬改定の履歴まとめ

調剤報酬は2年ごとの改訂であり、現在は2018年度に改訂された調剤報酬が使用されています。

2010年から5回の改訂が行われ、少しずつ変化していった軌跡を確認していきましょう。

2010年の調剤報酬改定

2010年度の調剤報酬改定は、0.5%のプラス改訂です。

ただし、薬価は1.36%のマイナス改定であるため、差し引きでは調剤薬局への報酬はマイナスへと傾きました。

大きな変化としては、ハイリスク薬が処方された場合の加算が制定されたことです。

また、医療費の高騰を受け、後発医薬品の普及をさらに促進するための措置として、後発医薬品調剤体制加算の点数が引き上げられ、後発医薬品への変更調剤の方法が規制緩和されました。

薬局の機能として、薬剤師が職能を発揮する体制作りが進められた改訂だと言えるでしょう。

2012年の調剤報酬改定

2012年度の調剤報酬改訂では、調剤報酬はわずかにプラス改訂であったものの、薬価が大きくマイナス改定となり、差し引きでは調剤薬局の報酬はマイナスへと傾きました。

後発医薬品調剤体制加算は、算定要件である後発医薬品の使用率がさらに高く引き上げられてしまいましたが、漢方薬や経腸成分栄養剤などは分母に含まないこととなったため、実質的にはそこまでの影響は出ませんでした。

後発医薬品の周知・普及が進んだことで後発医薬品調剤加算などは廃止されましたが、薬剤服用歴管理指導料は点数が引き上げられ、在宅患者調剤加算、乳幼児服用指導加算が新設。

また、保健医療機関に患者の服薬状況などを提供した場合の服薬情報等提供料も新設され、薬剤師の薬学的判断に対する評価が進められた改訂となっています。

2014年の調剤報酬改定

2014年度の調剤報酬改訂では、消費税8%への引き上げに伴う対応として、すべての点数がわずかに高くなりました。

また、妥結率の報告が必要になった点は、近年では最大の変化です。

妥結率が低い調剤薬局では、調剤基本料の引き下げが行われました。

政府の目標である在宅医療の推進を反映させ、在宅に関わる点数が大きく伸びたことも特徴の一つです。

お薬手帳を交付しなければ点数が低くなるという算定要件であったため、お薬手帳の利用者が減ったのは、この改訂の悪しき点と言えます。

後発医薬品においては新指標が発表され、点数は伸びたものの、算定できなくなった調剤薬局も出ました。

調剤基本料においては、門前薬局では算定できる点数が低くなる特例の幅が広げられました。

門前薬局からかかりつけ薬局へとシフトチェンジを迫られた改訂となっています。

妥結率に関する詳細は、以下で詳しく紹介しています。

調剤薬局の妥結率薬局経営に関わる妥結率とは?妥結率が低いと具体的にどうなるの?

2016年の調剤報酬改定

2016年度の調剤報酬改訂では、表面上はプラス改訂とされていますが、その内容を見ていくと、多くの調剤薬局が算定可能な点数はシビアに設定されており、実質的にはマイナス改定であるとされています。

在宅医療をさらに推し進め、地域包括ケアシステムの構築を目標に、かかりつけ薬剤師に関わる指導料や管理料が新設されたほか、在宅における重複投薬・相互作用防止加算も設定されています。

対物業務(医薬品)から対人業務(患者)へのシフトチェンジを迫られており、薬剤師の薬学的判断を評価する点数となっています。

逆に、調剤基本料や一包化加算などの作業に関わる点数は低くされました。

また、後発医薬品においてはさらに算定要件が高くされ、後発医薬品の推進がされています。

分割調剤が注目され、医師の指示による分割調剤の処方箋発行が定められたのも、2016年度の改訂です。

この分割調剤は、今後のリフィル処方箋についての検討材料ともされています。

リフィル処方箋に関する詳細は、以下で詳しく紹介しています。

リフィル処方箋の導入メリットとデメリットリフィル処方箋は導入間近?導入のメリットとデメリットとは?

2018年の調剤報酬改定のポイントとは?

2018年度の調剤報酬改訂は、わずかにプラス改訂となっています。

ただし、例年通り薬価の大幅な引き下げが行われ、さらには薬価制度抜本改革の影響で、調剤薬局の利益は伸びることは難しい状況となっています。

内容としては、かかりつけ薬剤師の更なる促進と、地域医療に貢献している薬局に対する評価の適正化が主な目標として掲げられました。

分割調剤の手続きの明確化が行われたのも、今回の改訂の特徴だといえるでしょう。

これに伴い、対人業務に対する評価を引き上げ、在宅医療に対する点数も引き上げが行われています。

後発医薬品のさらなる普及のため、加算の算定要件はより厳しく改訂され、また、門前薬局に対する調剤報酬も引き下げる要件となっています。

新設されたのは地域支援体制加算と服用薬剤調整支援料であり、地域包括ケアを促進するとともに、服用薬剤を減らすことに貢献することを評価するものとなっています。

2020年調剤報酬改定の方向性とは?

2020年度の調剤報酬改訂に向けて、すでに中央社会保険医療協議会では議論がされています。

2025年に控えている団塊の世代が後期高齢者となる超高齢社会に向けて、高騰すると考えられる医療費の適正化や、急増する在宅患者に対する対策などが盛り込まれた内容となるでしょう。

医療費を削減するためのもっとも確実な方法であるため、近い将来の改訂では、調剤報酬はマイナス改定となるかもしれません。

内容としては、人手不足をカバーするための技術活用として、医科報酬ではすでに実施されているオンラインを介した服薬指導に対する評価の新設や、他医療機関との連携を進めるための評価が盛り込まれるかもしれません。

あや

こうやって見てみると、調剤薬局を今後どうしたいのかが、なんとなくわかってきますね。

きよみ

改訂があるたびに慌てちゃうのは、現状と未来をつなげてみていないからよ。いままでの改訂の内容から、その先にどんな改訂が来るのかを予測するのは、そんなに難しくないわ。

あや

そこまで考えながら仕事をするのは難しいですけど、今やっている業務よりもさらに進んだ内容を求められるということはわかりました。2年ごとに薬剤師も進化していかないとダメなんですね。頑張ります!

まとめ:調剤報酬は政府の理想を現すもの!その理想を実現した薬局が生き残る

二年ごとに行われる調剤報酬改定は、今後の医療制度を政府がどうしたいのか、その理想を公表しているとも言えます。

その理想を実現することができる薬局のみが生き残り、対応できない薬局は消えていくことになるでしょう。

特に、医療費の高騰は、早急な対応が必要な状況となっています。今も厳しいこの状況が、今後はさらにエスカレートしていくことになるのです。

改定後はできるだけ早くその状況に対応するのはもちろん、近い将来を予測して、さらに進んだ対応をできる薬局とならなければ、いずれは消耗して消えてしまうことになるでしょう。

過去から学び、未来を目指して成長していきましょう。