退職を希望したら、円満にスムーズに手続きが進み、何事もなく新生活に突入できる。それが理想的な退職ですが、実際には引き止めなどの問題によって、グダグダになってしまう例も多く存在します。
特に薬剤師は専門職、全国的に薬剤師数が増えてきたと言っても、すべての企業で十分な人数が確保できているわけではありません。
薬剤師数がギリギリの職場では、退職すると言ってもすぐに手続きが実行されないこともあるのです。
そこで今回は、薬剤師の退職に対して、理不尽な引き留めを受けてしまった時の対処法を解説します。
あや
モンブラン
きよみ
モンブラン
退職を引き止められ辞めるに辞めれない薬剤師の相談内容
桜さんの相談内容
病院の経営体質が古く前々から問題になっていたのに今更そんな事を言われても信用できません。また話し合わないといけないのかと思うと億劫です。
美咲さんの相談内容
杏さんの相談内容
薬剤師は専門職であり、資格がなければ業務を受け持つことはできません。
一人抜ければ他の職員の負担が増えてしまうため、できるだけ退職を思いとどまるように促すのは当然のことなのです。
止めないで欲しいと引き止められ、その言葉に流されて職場に残ったとしても、苦しむことになる可能性が非常に高いことは覚えておきましょう。
なぜなら、すでに退職に傾いてしまった気持ちが元に戻ることは稀で、職場の悪い面ばかりが目に付くことになるからです。
退職は労働者の権利として認められているものですので、会社が拒否できるものではありません。
自分を顧みて、退職した方が良いと判断できたのなら、しっかりと対決していく姿勢を貫きましょう。
薬局長があなたを引き止める8つの理由
薬剤師数が不足している職場の場合や、管理薬剤師を務めることができる薬剤師などでは、退職の意思を伝えても引き留められてしまうことがあります。
もちろん貴重な戦力であるために引き止めは行われるのですが、この引き止めには労働者の気持ちがまったく配慮されていません。
以下に記載した引き止めの理由を見ていただければ、いかに会社都合で言われているのかを理解していただけるでしょう。
引き止めの理由
- 薬剤師数が足ないので業務に支障が出る
- 管理薬剤師やマネジメントをしていたベテランのため補填が難しい
- 同時期に育休・産休に入る薬剤師がいる職場
- 繁忙期間中のため退職されると困る
- 後任者への引き継ぎに時間が取られる
- 人員を補充するために人材会社とのやり取りが増えてしまう
- 薬局長にとって、部下の管理ができていない事に責任を問われる
- かかりつけ患者の同意が再度必要になり算定分が次回からになる
「あなたの為だから」は大義名分
退職する時に良く言われる言葉「あなたの為に言っているの」は、会社側の事情を隠して引き止める都合の良い言葉に過ぎません。
退職理由にもよりますが、転職を理由に退職する場合では、本人にとってプラスにならないと説得してくる事が多いものです。
転職に対してプラスのイメージばかりではないため、そう言われてしまうと不安になり、退職するべきか悩んでしまうのは誰でも仕方のないことですが、良く考えてみてください。
転職を経験している薬局長が引き止めで「転職しても良いことはない」と言った場合、薬局長にとっての転職先である今の職場に来てから良いことが無かったと、後悔していることになりませんか?
あや
モンブラン
きよみ
辞めさせてくれない・反対される場合の対処法
引き止めて貰えるのは、たしかにありがたい話です。
なぜなら、職場にいらない人間なら引き留めることはしませんから。
ですが、その引き止めも度を過ぎれば迷惑でしかありません。
きちんと話しているはずなのに聞いていないと言われたり、「暇になるまでもうちょっと待って」や、「次の薬剤師が入社準備中だからもうちょっと待ってて」などと、毎回何らかの理由を付けて先延ばしにされたりしては、いつまでたっても退職できるものではありません。
そうこうしているうちに退職に対する熱意が冷め、いつの間にかダラダラと仕事を続けてしまう可能性もあります。
そうならないためにも、強い意志で退職の決意を固め、しっかりと証拠を残して対応していくようにしましょう。
- 退職意思をまげない
- 退職届を提出した日を確認できる方法で渡す
1、退職意思を曲げない
退職をするために最も大切なことは、強い意志で退職を決意することにあります。
なんとなくで始めたことは決意も鈍りやすく、結局なし崩し的に退職できないままで日々を過ごすことになるでしょう。
特に日本人は責任感が強いわりに意思が弱く、言われた仕事はきちんと続ける習性があるため、姑息に引き延ばす作戦がうまく作用するのです。
どんな対応をされたとしても、しっかりと退職する意思を持ち続けましょう。
2、退職届を提出した日を確認できる方法で渡す
退職届を提出しているのに、受け取っていないと言い張られることがあれば、完全に雇用契約違反となります。
そんな態度に出る雇用主に対して、真面目に正面から意見するだけでは、いつまで経っても退職することはできません。
もしそういった対応をされるのであれば、貰っていない・聞いていないという言い訳をさせないため、退職届をいつ渡したのかがわかる方法で提出するべきです。
口頭で退職の意思を伝えるだけでは、証拠がないために意味がありません。
確実に日付がわかるように録音しながら伝えたり、内容証明郵便を活用して退職届を何日に誰に対して送付したか証明したり、誰が見てもわかるように証拠を残しておきましょう。
退職は雇用された人の当然の権利です。決して会社側が断れるようなものではありません。あきらめず、しっかりと戦っていきましょう。
労働基準局や法律事務所への相談を視野に入れておく
どんなに話し合っても辞められない場合の最終手段です。労働基準監督署に相談した上で強行手段を取りましょう。
薬剤師確保が困難なことから退職希望者に対して脅迫まがいの行為を行い、退職をあきらめさせるという卑劣な手段をする企業もごく少数ながら確認されています。
これは明らかな違法行為であるので、労働基準局や法律事務所に助力を求めることが最善の選択となります。
ここで、退職の意思を伝える記録が力を発揮します。労働基準法では、退職を申し出てから2週間を経過していれば、雇用契約を打ち切ることができるようになっています。
また、退職に当たって脅迫されたという事実も、録音などで記録に残しておくことで、確実に勝訴に持ち込むことができます。
旧態依然とした経営者では、労働者は会社の目下の存在だと勘違いしていることもありますが、会社と労働者は対等の関係なのです。決して悲観せず、堂々と戦っていきましょう!
あや
きよみ
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まとめ:理不尽な引き止めに屈せず、強い意志で行動を!
薬剤師は専門職で数が限られており、スムーズな退職ができない場合も多々あります。
退職の相談をしても理不尽に拒否され、過剰に引き止められる事態が起きないとは限りません。
そんなときに大切なのは、強い意志で退職に向けて行動を続けることです。
労働者の退職は権利として認められているものであり、会社側に拒否する権限はありません。
理不尽な行動には、真っ向から対決していくしかないのです。
そのためには、証拠を残して自分の行動を証明し、法的措置も辞さない覚悟で挑みましょう。
今回の記事が、あなたの退職を応援する一助になれば幸いです。
モンブラン