退職の意思表示をする上で、避けられない最大の障壁とも言えるのが、退職理由の説明です。
伝え方一つでトラブルに発展してしまう可能性もあり、正直な理由を話して良いのか悩んでしまうこともあるでしょう。
下手に本音を伝えてしまえば、円満退職とはいかなくなるかもしれません。
そこで、今回はトラブルを避ける上手な退職理由の伝え方と、そのタイミングについて解説していきます。
あや
きよみ
あや
モンブラン
退職する意思が固まったのに伝えることができない薬剤師の相談内容
相談内容
入社日は、2ヶ月後を予定しているので退職までに期日の余裕はあるのですが、正直退職を伝える事が怖いです。
薬局長は女性なんですが男勝りな性格で気分にムラっけがあるので、退職を伝えたら叱責されるんじゃないかと考えただけで胸がドキドキします。
何か円満退職になるような伝え方が知りたいです。
退職について伝えることは、誰しもが怖く感じるものです。
今まで共に頑張ってきた同僚を裏切るような後ろめたさを感じてしまいますし、場合によっては上司から叱責されることもあるでしょう。
ですが、次の就職先への入職日が2ヶ月後と決まっているのなら、ものおじしている暇はありません。
速やかに退職の手続きを進めなければ、入社日に間に合わなくなってしまう可能性があるからです。
退職理由をうまく伝えていき、スムーズな円満退職を目指しましょう。
本音だとしても不平不満を理由にした退職理由は伝えない
退職を考えた時、初めに思い浮かんだのはどんな理由だったでしょうか。
スキルアップやキャリアチェンジ、結婚などの具体的で喜ばしい理由、ポジティブな理由であれば、何も気にすることはありません。そのまま素直に伝えましょう。
介護や看病などの、やむを得ず勤務を継続できない理由がある場合でも、正直に伝えて良いでしょう。
しかし、職場環境への不満や金銭的な問題など、相手が不快に感じるような理由の場合、正直に伝えるべきではありません。
正直に伝えることは悪いことではないのですが、それによって自分にマイナスの影響があるようであれば注意が必要です。
退職する時にその理由を正直に話した結果、マイナスの影響を受けてしまった実例を紹介します。
美和子さんの実例
貴志さんの実例
相手からしたら裏切られたようなことを言われましたが、そのセリフは私が言いたかったです。伝え方を変えれば結果が良くなっていたのではと若干後悔しています。
あや
きよみ
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退職は所属店舗の薬局長に伝える!順番には気をつけよう
退職について伝える時、自分の立場を考えて、まずは直属の上司に伝えましょう。
店舗勤務の薬剤師であれば、その店舗の薬局長や管理薬剤師、自分が管理薬剤師なのであれば、地域を統括するエリアマネージャーと、しっかりと序列を守った対応が必須となります。
直属の上司である薬局長・管理薬剤師を介さず、エリアマネージャーや役員に退職の意思を伝えてしまうと、店舗管理者としてのメンツを潰してしまいます。
部下を管理できない無能な職員というレッテルが張られ、その原因を作った当事者には必要のない恨みが生まれてしまいます。
「薬局長はいつも怖いから優しいエリアマネージャーに」なんて考えは、後々大変な事態を引き起こしかねないのです。
無駄なトラブルを避けるため、順番には気をつけていきましょう。
薬局長の許可があるまで同僚には話さない
職場内に混乱を招く恐れがあるため、上司からの許可があるまで退職する事を同僚に伝える事はNGです。
大抵の場合、いつもとは違う雰囲気で同僚が気づくものですが、極力許可があるまで明言することは控えましょう。
自分としては退職で職場から去っていくために気にならないかもしれませんが、残された同僚たちは今まで分担されていた業務を受け持たなくてはいけなくなります。
一人抜けた後の状況を想像し、連鎖的に退職者が生まれてしまったという事例もあるんです。
今後の対応など、会社の方針が固まるまでは、不用意な発言を控えることも円満退職のポイントなのです。
退職を薬局長に伝えるタイミングと切り出し方
退職について伝えるタイミングは難しいものです。そのタイミング一つで、上司の対応も変化して、話しの進み方も変わっていきます。
ここで、ベストなタイミングと、その切り出し方について確認し、退職の手続きが滞りなく進められるように対策を練っておきましょう。
休憩中や就業時間外が理想のタイミング
退職も仕事に関わる事であるため、業務時間内が良いのではないかと考えるのが一般的です。
実は、業務時間内に突然伝えることは、最もやってはいけない伝え方なんです。
退職の話をするとなると、1時間以上話し合いにあることもあります。
業務中では仕事に追われてしまい、大切な話が中断してしまう可能性があるのです。
落ち着いて会話ができ、ある程度の時間が確保できるタイミングを狙っていきましょう。
ただし、あくまでも退職の意思を伝えるタイミングは、薬局長の時間に余裕があるタイミングが理想なので、状況に応じて判断しましょう。
周りに配慮した切り出し方で二人になれる時間を作る
退職の切り出し方
- 手が空いた時に、お時間頂けませんか?
- 相談したい事があるので、今大丈夫ですか?
- 業務終わりに、外で話せる時間をいただけませんか?
退職の意思を伝える時、突然話を切り出すのはオススメできません。
退職というのは、自分にとっても会社にとってもデリケートな問題であり、簡単に結論を出せるような問題ではないのです。
すでに自分の中で意思が決まっていようとも、相手に対応できる猶予を与える切り出しがベター。
特に勤務中は、周りで他の同僚も働いています。情報管理の意味でも、すぐにその場で話すのではなく、改めて時間を作ってもらうように促す話し方が、最善だと言えるでしょう。
あや
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退職を伝える前にこれだけは決めて起きたい2つのこと
退職することは、深く悩んだ末に出た結論でしょう。
その決意を持って退職について上司に伝える時、絶対に決めておきたいことが2つあります。
それは、「揺るがない退職する意思・覚悟」と「退職する期日」です。
ここがあいまいなままで退職を伝えてしまえば、退職自体がうやむやとなってしまいます。
そのままダラダラと現在の職場に居続ける羽目におちいり、退職すると一度伝えてしまったことによって満足できる待遇も引き出せず、飼い殺しにされる可能性さえあるのです。
よほど問題のある職員でなければ、退職することを伝えた時に、ほぼ必ず引き止めに合うことになります。
上司は様々な手段で思いとどまらせようと画策し、「転職はあなたのためにならない」「職場環境を改善する準備ができている」などと話してくるかもしれません。
そこで退職するという意思が弱ければ、大きく揺らぐことになるでしょう。
また、期日を設定していない退職の希望は「後任の用意ができない」「今は繁忙期だから待ってほしい」など、いくらでも理由をつけて先延ばしにすることができます。
しっかりと期限を定め、そこまでに職員の退職に対応できないのであれば、会社の責任なのだと割り切っていきましょう。
モンブラン
まとめ:退職の成功はタイミングと伝え方次第!しっかり対策を練りましょう!
退職を上司に伝える時は、緊張と不安でパニックになってしまいそうになります。
「叱責されたらどうしよう」「辞めさせてくれないかもしれない」そんな悩みが尽きることがありません。
そんな時は、さっさと決意を固めて話してしまえばよいのです。
ただし、退職を伝えるタイミングと、その伝え方には十分注意しなければいけません。
特に今まで退職・転職の経験がない薬局長である場合、退職・転職に対する理解を得られないこともあります。
思わぬトラブルを招く恐れもあるので、会社を批判する内容は避け、ポジティブな退職理由を伝えるように、しっかりと対策を行いましょう。
現場で働く薬剤師にとって、所属店舗の薬局長は味方だと感じますが、実際には企業サイドの人間だという事を忘れてはいけません。
円満退職のため、会社の序列を守った順序で退職の相談を行い、退職の意思をしっかりと固め、具体的な予定まで合わせて報告していきましょう。
今回の記事が円満退職のための参考になれば幸いです。
モンブラン